muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

熊谷守一展(埼玉県立近代美術館)

裸婦像

 明日本番の「サウンド・オブ・ミュージック」稽古の前に、北浦和の埼玉県立近代美術館に行ってきた。
●没後30年 熊谷守一(くまがいもりかず)展 天与の色彩 究極のかたち
 熊谷守一は東京美術学校卒。遠い先輩か・・・。文化勲章や勲三等の受章、叙勲に内定しながら辞退した人(もったいないなぁ・・・)。
 初期の作品は色彩が暗いが、「熊谷様式」になると明るくなり、ものの輪郭線を描く、一見単調な絵になる。しかしそれが個性的に思えて、見ていてとても快かった。
 本人の言葉がいくつか会場内に掲げられていたが、あるとき天皇(昭和天皇だと思う)が熊谷の絵を見て、「子どもが描いた絵か」と感想を述べたのだという。なるほどね・・・。しかし子どもには真似できそうでできない絵だと思う。
 吉原治良なんかもそうだけど、晩年になると単純化してくる画家がいる。多いのか少ないのかわからないが。
 油絵のほか、日本画、書も展示。油絵は孤独に描いていたそうだが、日本画は来客の見守る中、一気に書き上げていたそうである。書もそうだけど、自由闊達であった。
 熊谷を撮った写真もあった。30代の写真家が撮ったもので、熊谷も写真家を気に入っていたそうである。素顔の熊谷は、ひげもじゃのおじいさんだった。また、土門拳撮影の写真も1点展示。
 埼玉県立近代美術館蔵の作品、東京国立近代美術館など、国内のさまざまな美術館からの出展だった。愛知県美術館、天童の美術館からの出品が多かった。
 熊谷が住んでいた家は、現在「熊谷守一美術館」になっているそうだ。未チェックだったので今度ググってみようと思う。
●第4期常設展 「視覚への挑戦−近代から現代へ」
同「リサーチ・プログラム−小村雪岱(こむらせったい)の江戸モダン」
同・特別展示 新寄贈の大熊家コレクションより 秘蔵の横山大観作品 先行公開
 第4期常設展である。最初の「近代から現代へ」はいつものドラクロワとかモネ、ピカソなどの作品を、展示タイトルを変えて見せているだけのような・・・。
 また、草間弥生の絵画を多く展示していて満足。点描画のような、暗い色調の作品だった。
 小村雪岱は、展示スペースを大きく取り、日本画、舞台装置図、挿絵などを展示。古きよき時代の感じがした。舞台装置を作る裏話も掲示されていて参考になった。
 大熊家は川越の旧家で、この度横山大観作品47点を寄贈した。そのうち4点を先行公開している。作品保護のため展示期間が短いので今回見られてよかった。
 出品作は、富士山の絵、白梅図など。まさに日本画という感じ。
 今回寄贈された作品は、平成20年度の常設展で数回に分けて展示されていくそうである。楽しみだ。
 今日の写真は、美術館のある公園入口に立つ彫刻。裸婦像だが、タイトルや作者はチェックせず・・・。(すみません。)
 ではこれから浦和パルコでの稽古に行ってきます。本番は明日です。もしよかったら遊びに来てください。