muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

ネオ・トロピカリア ほか7つの美術館、博物館

食品サンプルの今

 昨日今日と、都内を廻りいろいろ展覧会を見てきた。今回は2日間とも1人で行動した。以下、見てきた順。
(1)池口史子展 静寂の次(松涛美術館)
(2)アンドリュー・ワイエス−創造への道程(みち)(Bunkamuraザ・ミュージアム)
(3)たばこと塩の博物館 開館30周年記念特別展「近世初期風俗画 躍動と快楽」(たばこと塩の博物館)
(4)エントランスホール企画「躍動する食品サンプルたち イワサキ・ビーアイ 手わざと遊び」(同上)
(5)ネオ・トロピカリア│ブラジルの創造力(東京都現代美術館)
(6)森山大道(だいどう) ミゲル・リオ=ブランコ 写真展-共鳴する静かな眼差し(同上)
(7)特別展 茶人のまなざし「森川如春庵の世界」(三井記念美術館)
(8)生誕100年 川喜多かしこ展(東京国立近代美術館フィルムセンター)
(9)都市の表象と心象-近代画家・版画家たちが描いたパリ(ブリヂストン美術館)
 初めて見たものに限って感想を記します。
●ワイエス
 ワイエスの特集展を見たのは初めて。結構好きな作家だ。音声ガイドを利用したが、あまりいい解説ではなかった。(個人的には。)
 緻密な写実、描写力には驚かされる。完成作と習作を並べて展示しているところも多かった。習作と完成作では色使いが違っていたりする。(構図なんかも。)
●躍動と快楽
 近世の屏風が多い。古いところに味わいを感じた。東京国立博物館や、出光美術館などからの出品もあった。この博物館の特性上、「たばこを楽しんでいるところが描かれている」みたいな解説が多かった・・・。当時の歌舞伎の描写もよかった。
●食品サンプル
 「食品サンプルってこんなにリアルなんですよ」って趣旨かと思ったらそうでもなくて、確かにリアルなんだけど、もうちょっと芸術的(?)に食品サンプルを展示していた。今日の写真の、モナリザチックなトウモロコシや、食べかけのくたびれたパスタなど。
●ネオ・トロピカリア
 ブラジルの現代アートってまったく知らなかったので、好企画だった。
 「なんともおおらか」という印象を持った。油絵もあったが、ミクストメディアなどが多かった。
 オブジェの中を通路で歩く作品では、ゴール地点でなぜかマンゴージュースを飲めた。(甘くておいしかったです。)
 「クラゲ」というガラス作品が幻想的で印象に残った。また、金色の細い糸を何本も張り巡らせた作品は、大変繊細で儚げ(はかなげ)だった。
 映像作品で、ブルーレイによるものがあった。ものすごく大きなスクリーンに映しているので、近くでは結構ぼやけてたけど・・・。
●守山大道 ブランコ
 お互いに日本とブラジルを撮影しあう企画。森山大道の名前は、今年5月の東京都写真美術館の個展で知っていた。(このブログに記事があります。)
 どちらかというと守山大道のモノクロ写真の方が印象に残ったかな。映像によると、フィルムカメラによる撮影かもしれない。
 サンパウロの庶民の日常生活が鮮明に切り取られていた。
 また、2人の映像作品も上映されていた。
●川喜多かしこ展
 東京国立近代美術館フィルムセンターは初めて訪れた。日本橋を巡る無料巡回バス「メトロリンク日本橋」の車中に置いてあったチラシで知り、そのまま立ち寄ってみた。
 まずは常設展示の日本映画黎明期〜戦後の黄金期の展示。古い映画や映写機などが展示されていた。年配の人なら思わず懐かしくなるだろう。
 川喜多かしこは、日本の映画界に大きな影響を残した人らしい。緒形拳(先日亡くなりましたね)からの手紙や、黒澤明、アラン・ドロンなどと一緒に写っている写真などが展示してあった。
 このフィルムセンターでは映画も上映しており、今日は観なかったが、今度また訪れてみたい。
●都市の表象と心象
 特別展ではなく、テーマ展示となっており、こぢんまりとしていた。パリを描いた版画がちょっと展示されていた。あとはマネの油絵や、ルドンの絵など。ちょっと物足りないが、常設展が充実しており、モネにミレー、シスレー、コローから20世紀美術まで展観できるのでよしとするか。
 現代アートの部屋で、今年大回顧展があったウングワレーの絵が2点あり、ちょっとうれしかった。(国立新美術館、このブログに記事があります。)
 MOTの常設展は「サヴァイヴァル・アクション-新収蔵作品を中心に」と題していたが、前回訪れたときとほとんど変化なかった。今日も解説ボランティアの人と廻った。(今日の参加者は僕を含めて4人だった。)