muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

植田正治、櫃田伸也展 ほか8つの美術館、博物館

ファンタジー

 昨日今日と見てきた展覧会。昨日は仕事の後、今日はお休みで朝早くから色々廻った。両日とも1人で行動。以下、見てきた順。
(1)植田正治写真展−写真とボク−(埼玉県立近代美術館)
(2)MOMASコレクション[III](同上)
(3)歴史を描く―松園・古径・靫彦・青邨―(山種美術館)
(4)鉄を叩く−多和圭三展(目黒区美術館)
(5)朝香宮のグランドツアー(東京都庭園美術館)
(6)ファンタジー −松岡コレクションの幻想世界−(松岡美術館)
(7)大正イマジュリィの世界 デザインとイラストレーションのモダーンズ(松濤美術館)
(8)小林礫斎 手のひらの中の美 〜技を極めた繊巧美術〜(たばこと塩の博物館)
(9)損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞記念 櫃田伸也展(損保ジャパン東郷青児美術館)
 今回はすべて初めてだった。また、(3)と(9)は今日が会期初日だった。
●植田正治
 「植田調」と海外でも評価された独特の写真。
 「砂丘シリーズ」などは、シュルレアリスムっぽくて非常に印象に残った。まさに芸術写真だった。
●MOMASコレクションIII
 「当館では財政難から、2000年度より作品収蔵(購入)がされておりません」と、なんとも恨みがましく張り紙がされてあった。そんな中、今年度は寄贈作品があったが、どれも「埼玉ゆかりの作家」からなので、何とも言えず・・・。モネ、ピカソとまでは言わないが、真に芸術価値の高い作品が収蔵されないかなぁ。
 そんな中、この常設展では、ミロと滝口修造の詩歌集に、武満徹が男声合唱曲をつけて、その曲がCDで聴けるようにしてあった。非常に良い試み。合唱曲はまさに調性音楽であったが、癒されるものであった。(1分から2分程度の短い4曲が聴けた。)この日は嫌なことが色々あって落ち込んでいたが、気分が和んだ。
●歴史を描く
 「物語絵」から始まり、「歴史画」へと繋ぐ。いろいろな歴史上の人物の肖像画、物語の場面の絵があった。画家たちもそうそうたる顔ぶれ。文化勲章受章者もいた。織田信長の絵が印象深かった。
 第2展示室では上村松園の美人画を展示。味わい深かった。
●多和圭三
 「鉄」を叩いて彫刻作品とする。その重々しさに打たれた。広い展示室にまばらに置かれた鉄の彫刻は、贅沢な空間だった。「無題」が多かったのも特徴。
 野外彫刻展などにも盛んに出品、記録写真が展示されていた。現場で見たらまた違った感動があっただろう。
●朝香宮
 「朝香宮邸」(現在の東京都庭園美術館)が撮影できる、と聞いて駆けつけた。1階部分が撮影可能だった。(2階は不可。)で、それだけかと思っていたら、ちゃんとした展覧会だった。朝香宮ゆかりの写真、絵はがき(当時の文章もそのまま展示)、装飾品などを展示していた。アール・デコで優美だった。
●ファンタジー
 若手作家の油画を色々展示していたが、芸術価値がわからず、写真撮らなかった。しかし、同じく中国古代〜清代までの出品作はすべて撮影した。(今日の写真。)現代の具象絵画は、よくわからない・・・。
●大正イマジュリィ
 大正モダン。竹久夢二や、岸田劉生等、10人以上の作家を取り上げていた。書籍などはすべて古ぼけていて味わい深かったが、傷みもそれなりに激しかった。
 「セノオ楽譜」を今回も見た。情趣溢れる表紙だなぁ。
●小林礫斎
 カルタ、家具、屏風絵などありとあらゆる「ミニチュア」の展覧会。本当に小さくて、会場入口には虫眼鏡が用意されていたほどだ。(借りなかったけど。)手が込んでいた。
 今回初公開作品も多数。展示ラベルの色で判断できた。余技にしてはすごいなぁ。
●櫃田伸也
 ちょっと具象の匂いもする抽象画・・・? 芸大でも教えていたそう。そんな感じの画風だった。印象深かったです。
 今日は、出かける直前までどうしようか迷っていて、思い切って出かけてみてよかった。朝食も食べずに行ったので、昼はすき家で並盛り2杯食べました。(メガ牛丼よりちょっと安い。)
 今日の写真は、松岡美術館の「ファンタジー」から、中国古代の青銅器。(撮影可。)