muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

田窪恭治展 ほか17の美術館、博物館

松屋銀座にて

 最近見てきた展覧会。母が亡くなる前に行ったのもあるので、数が多くなっています。1人で行動。以下、見てきた順。
(1)レンブラント 光の探求/闇の誘惑(国立西洋美術館)
(2)奇想の自然−レンブラント以前の北方版画(同上)
(3)田窪恭治展 風景芸術(東京都現代美術館)
(4)MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方(同上)
(5)秋谷豊(あきやゆたか)−地球の詩人−(さいたま文学館)
(6)写楽(東京国立博物館)
(7)手塚治虫のブッダ展(同上)
(8)誕生40周年記念 仮面ライダー展(日本橋三越)
(9)三井記念美術館 館蔵品展(三井記念美術館)
(10)きもの文化の美と装い 江戸KIMONOアート(日本橋タカシマヤ)
(11)NFC映画展覧会の15年 1995-2010(東京国立近代美術館フィルムセンター)
(12)アンフォルメルとは何か? ―20世紀フランス絵画の挑戦(ブリヂストン美術館)
(13)ルオーと風景(Panasonic電工 汐留ミュージアム)
(14)常設展示:中国古代青銅祭器の世界(泉屋博古館分館)
(15)近代洋画と日本画(同上)
(16)服部早苗布工芸展(大倉集古館)
(17)第4回菊池ビエンナーレ展(智美術館)
(18)薔薇の切手 香りのイメージ展(切手の博物館)
(19)世界遺産の切手展(同上)
(20)野間コレクションの90年(講談社 野間記念館)
(21)禅僧の書画(永青文庫)
(22)島田ゆか&ユリア・ヴォリ絵本原画展-バムとケロ、ぶた(SIKA)の世界-(松屋銀座)
 (1)を除き、後はすべて初めてであった。
●奇想の自然
 古い版画。アルカイックな味わいがある。意外にエロティックなのもあった。
●田窪恭治
 大きな建物の実物展示とか。大ぶりな椿の絵のタイルなど。MOTのミュージアムショップで、関連品として田窪氏の絵皿が何十枚も売られていて、1枚8万円だった。展覧会に展示されているのも似たようなものだったが、同じような価値(金額)なんだろうか・・・。
●MOTアニュアル2011
 毎年期待している。大部分が僕より若い作家たちだった。印象に残った作品もあったが、忘れてしまった・・・。だからといって悪い展覧会ではなかったです。
●秋谷豊
 秋谷氏は鴻巣出身の詩人。(故人。)「地球」という詩の雑誌を主宰していた。自筆原稿の展示があったが、すごい特徴的な字をしていた。(直線的な、機械的な、何とも味わいのある字体。)
●写楽
 写楽の遺した作品のほとんどが集まるという、すごい展覧会。誰でも知っている有名なもの(大判絵)から、没個性になっていく晩期のものまで幅広く網羅。秀逸だったのは、同じ役者を描いた絵を、写楽、その他の浮世絵師の作品で並べていたところ。比較してみて、写楽のいい部分がよく分かった。
 音声ガイドを借りてみた。ナレーターは春風亭昇太。絵のこと直接には触れず、終始歌舞伎や江戸のお話だった。そういう点では物足りないけど、楽しかったのでいいか・・・。
●手塚治虫のブッダ展
 手塚治虫の漫画「ブッダ」の原画と、仏像彫刻の並列展示。初めての試みだそうだ。原画はともかく、仏像はやっぱりいい。石像が多かった。釈迦涅槃(ねはん)の寝仏もよかった。
●仮面ライダー展
 子ども連れもいたけど、若い人や年配の人も多かった。途中から撮影可の、ライダー像展示が続き、写真を撮ることに夢中になってしまった。展示の最初の方は、石ノ森章太郎の原画もあった。完全にGW企画の展覧会だった。
●三井記念美術館 館蔵品展
 ホノルル美術館からの「北斎展」が震災で中止になり、代わりに開かれた展覧会。非常に空いていた。茶器などは見ていて落ち着くし、味わい深い。東福門院入内図の屏風が、3年にわたる修理を終えて初公開となったので見ることができた。往時を偲ばせる、豪華な嫁入り行列の図だった。詳細に調査をしていた模様。
●江戸KIMONOアート
 江戸時代の着物や、能装束など。女性客ばかりだった。色あせて見えたのは、江戸時代のもので時間がたっているからか? 女子大所蔵のものと、高島屋資料館からのものが多かった。後半は、毛利家など大名家由来のものが多かった。
●NFC映画展覧会
 過去の展覧会の集大成的展示。外国映画のポスターなど印象深かった。
●アンフォルメル
 久しぶりに訪れたブリヂストン美術館。この展覧会のための出品も多く、国内の美術館から色々来ていた。1950年代以降の作品も多く、未だ評価定まらないというのもあるのではないか。抽象画をモチーフに、印象派から現代絵画まで幅広く展示していた。常設展示もしっかりあり、ピカソやゴッホ、マネ、モネなどやっぱりいいねぇ。
●ルオーと風景
 ルオーの描いた風景画。風景画として遺したもの・・・というより、画のモチーフに風景があるものを集めた、と言った方が近いか。版画なども多数。キッズコーナーにも、ちゃんとルオーの作品(本物)を展示。
●中国古代青銅祭器
 商代からの古代中国青銅器。好きなので集中展示はうれしかった。1点1点の説明文には疲れちゃったけど・・・。復元楽器を叩けるようになっていて、5センチくらい離れた場所で2点打つと、それぞれ音程が3度くらい違うようになっている。ちょっと驚いた。
●近代洋画と日本画
 モネの作品が2点あったので収穫。多分初めて見たわけではないだろうけど・・・。梅原龍三郎等、日本の画家も大御所がいっぱいあった。洋画と日本画の並列展示。
●服部早苗
 仏像などをモチーフにした、布工芸。正直、芸術価値がどのくらいあるのか分からなかった・・・。しかし、作者は、デンマーク女王に自作品を説明したり、雅子様結婚の際に作品を依頼されたりと、経歴はすごいらしい。色鮮やかな打ち掛けもあった。
●第4回菊池ビエンナーレ
 応募総数に対し、入選(展示)は10%ほどと、狭き門の展覧会。僕より若い作家もいたが、大部分は年配の作家たちであった。大賞、優秀賞、奨励賞と、入賞作品もあったが、そうでない作品との差異はあまり分からなかった。伝統的な器の焼き物から、完全アート作品まで多様な作品群で、見ていて色々と発見があった。
●薔薇の切手
 薔薇の香り付き切手というのもあるそうで、かげるようになっていたり。ダイアナ妃と薔薇が描かれた切手の展示もあり、結構いろんな種類があった。(英国発行の切手ではない。)
●世界遺産の切手
 世界中に世界遺産があると言うことが分かった。かなりたくさんの切手があり、その場所(物件)が世界遺産に指定されたことを記念した切手、と言うわけでもなかった。(元々発行されていた切手。)日本のそれは、世界遺産と言うことを記念した切手だった。(京都や、白川郷など。)やはり日本の切手は美しい。(自分が日本人だからそう感じてしまうのだろうか。)
●野間コレクションの90年
 横山大観や、鏑木清方等、大御所の作品がずらり。見応えありました。ファインアートから、俗っぽい(雑誌の口絵等)ものまで、幅広く展示。
●禅僧の書画
 「かわいらしい」など、4つのジャンルに分けて作品を展示。尾と手の長いサルをかわいらしく描いた作品が印象深かった。あとは達磨(だるま)図など。常設展示も小規模ながらしっかりしていた。石仏、工芸品等。
●島田ゆか&ユリア・ヴォリ
 入り口に展示されていたのが今日の写真。結構混んでいた。人気の絵本作家なんだろうか。原画を展示。ユリア氏の方はフィンランドで活躍のようで、絵本の他、政府の啓発ポスターなど、多方面で活躍しているらしい。2人の作家を、部屋を分けて展示していたせいで、順路が非常にわかりにくかった。見逃してしまった作品もあったかも知れない。かわいらしい絵本だった。
 今日は、六本木一丁目駅から、泉屋博古館に行くまでの4,5基ほどの上りエスカレーターが、「節電のため」全部止まっていて、延々と歩かされた。上に着く頃にはすっかり息が上がってしまった。(下りエスカレーターもすべて止まっていた。)節電も大事だけど、4階層歩いて上らせるか? 再考してもらいたい。