muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

NHK-FM 現代の音楽 (久保哲朗さん作品)

 2021年3月28日、NHK-FM「現代の音楽」(ラジオ番組)において、「新作委嘱シリーズ 日本人若手作曲家の競演 久保哲朗」が放送され、久保哲朗さんのNHK委嘱作品放送初演、および久保さんへのインタビューでした。

 久保君は、僕がかつて音楽(作曲)への手ほどきをしたことがあります。この日の放送は、僕がたまたま都内のホテルに滞在中だったため、持参した iPad で聴きました。(クリアに聴けました。)

 パーソナリティの西村朗先生と自作について語る久保君のお話を、興味深く聴くことができました。

 この放送のメインでもある、NHKからの委嘱作品「かぎろひうつろふ」は、大アンサンブルと「オーケストラ」の狭間を行くような作品でした。ピアノの重低音から始まり、不思議なエネルギーに満ちた、印象的な作品でした。響和音的な響きの引用も見受けられ、よかったです。

 そのほか、イタリアでの室内楽作品(弦楽四重奏、フルート、クラリネット)も披露され、緻密なアンサンブルとその演奏に引き込まれました。

 最後は、久保君の大規模オーケストラ曲「ピポッチュ」の後半部分の放送で締めくくられました。僕はこの作品の世界初演を会場で聴いています。オーケストラと4人のソリスト(ヴァイオリン、バスクラリネット、チューバ、ピアノ)からなる意欲作で、芥川作曲賞にもノミネートされました。

 久保君は、教育的な活動にも携わりたいそうで、若手作曲家の初演活動を支援する、演奏団体の立ち上げを目指しているそうです。ぜひがんばってもらいたいですね。

 とても有意義な番組でした。

♪かぎろひうつろふ 40人の音楽家のための(NHK委嘱作品)
♪Lost for 6 musicians
♪ピポッチュ(後半部分)

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