三島由紀夫「春の雪」読了
昨日のことになるが、三島由紀夫の「春の雪」読了である。実際に読んだ日数だと一週間くらいかかったかな。
三島由紀夫の言うなれば「遺作」で、「豊饒(ほうじょう)の海」という全四巻からなる大作の、「春の雪」は第一巻である。このあと「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」と続く。
「豊饒の海」四部作は大学時代に読んだことがあって、そのときは「奔馬」が仏教臭くて難解だった覚えがある。「春の雪」も随分久しぶりに読んだが内容はあらかた忘れてしまっていた。
多分10年ぶりくらいに読んだが、ストーリーもさることながら文章表現の巧さに改めて驚く。こういうのが「華麗なる文体」っていうのかなぁ・・・。
三島作品を読む度に「辞書を片手に読まなきゃ」といつも思う。一ページに一つくらいの割合で知らない言葉(多くは漢語)が出てくるのだ。でも今回は電車の中でほとんど読んでいたため、知らない言葉はスルーか推測ですませるほかなかった。残念。
「春の雪」は今秋映画化される。(行定勲監督、妻夫木聡主演。)それを見ようと思っていて、その予習のために読み返してみたわけだ。しかし読了して、「これ、どうやって映像にするんだろう・・・」とちょっと不安(?)になった。
せっかく第一巻を読んだので、このあとの三作も続けて読んでみたいと思う。第四巻の結末の部分はちゃんと覚えてるんだけどね・・・。
●映画「春の雪」公式サイト・・・http://harunoyuki.jp/