muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

農民「日雇い労働のすすめ」日独楽友協会「ヘンゼルとグレーテル」

新国ロビーのXマスツリー

 昼は中野のスタジオあくとれにて、農民公演「日雇い労働のすすめ」公演二日目のマチネを観た。(作・演出 中本孝昭)
 まず脚本が全然面白くない。埼玉県内のぬいぐるみ工場の仕事場兼事務室みたいなところで話が進んでいくのだが、なにをどうしたいのかさっぱりわからなかった。
 演技はかなり独特。皆早口でまくし立てるようにセリフを喋る。あまり抑揚はない。役者全体がそんな感じなので、これは演出なのだろう。演劇的にいい演技なのかそうでないのかはよくわからなかったが、これはこれで「あり」だと思う。そんな演技。
 この劇団の芝居は数年前にも一度か二度観たことがあって、そのときはそんなに悪い印象は抱かなかった記憶があるのだが、今日のは最悪だった。すっかり時間を無駄にしてしまった。
 公演は明日まで。
 夜は初台の新国立劇場・中劇場にて、日独楽友協会公演、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」初日の舞台を観た。(フンパーディンク作曲、指揮・杉山直樹、演出・菅尾友、演奏・シンフォニッシェアカデミー、ドイツ語による字幕付き原語上演)
 いうまでもなく「お菓子の家」の童話によるオペラである。実際にお菓子の家が出てくるのは休憩後の第三幕からだったが・・・。
 幕開けは映像から。東京の街角の風景が写し出される。バレエ団とともに、役者が客席後方から登場して新鮮な始まりだった。(そのシーンの役者は携帯電話を持っていたり、まったく普通の、観客と見まごう風貌だった。)
 今回、お父さん役が客席通路で歌ったり、花道をよく使うなど、舞台の使い方が多彩だった。
 照明もよかった。ヘンゼルとグレーテルが森を見渡すシーンでは客席に光が当たったり、ミラーボールまで使われていた。
 回り舞台も駆使され、回っている(お盆の)ステージの上で行進する(歩いているが実位置では前に進んでいない)など凝っていた。
 さて今回は出演者で、ヘンゼルとグレーテルのお母さん役に篠由美子さんが出てらっしゃったのだが、出番も結構多く、高い音域が多かったので大変だったと思う。(篠さんはメゾ・ソプラノ。)篠さんとは何回か共演したことがあるが、ソロのみならずオペラの出演も多い。来年一月には新宿文化センターでオペレッタ「こうもり」に出演される。
 今回オーケストラは管も弦もいまいちだった。指揮もよくわからなかった。(よくまとめていたとは思うが。)
 このオペラ自体はクリスマスには関係ないと思うのだが、クリスマスシーズンということで、クリスマスの華やかなセットがあった。天井からはリボンをかけたプレゼントの箱がいくつもぶら下がり、ラストシーンではサンタクロースまで出てきた。フィナーレでは児童合唱に、全員の出演者が勢揃いし、迫力があった。充実のラストであった。
 帰りにスポンサーのロッテからチョコレートのおみやげがあった。
 公演はキャストを変えて明日まで。篠さんお疲れ様でした!
●農民のサイト・・・http://www2.odn.ne.jp/noumin/www/index.html
●日独楽友協会のサイト・・・http://www.nichidoku.net/