muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

川俣正[通路] ほか4つの美術館

「通路」が主役

 都内を廻りいろいろ展覧会を見てきた。今日はマイミクで芸大同期(ファゴット)の井上さんとご一緒した。井上さんとは随分久しぶりの再会であった。
 以下、見てきた順。今日はすべてが初めての展覧会。
(1)デビュー45周年記念 ジョン・バーニンガム絵本原画展(大丸ミュージアム東京)
(2)2008西洋の眼展(日本橋三越本店)
(3)企画展「三井家のおひなさま」特別展示「丸平文庫蔵 京(みやこ)の人形遊び」(三井記念美術館)
(4)川俣正[通路](東京都現代美術館)
(5)MOTアニュアル2008「解きほぐすとき」(同上)
●ジョン・バーニンガム
 なにやらすごい(絵本の)賞を2回も獲った人らしい。ほのぼのとした絵が並ぶ。邦訳された絵本(谷川俊太郎訳だったりする)もあるし、未邦訳のものもあった。風景写真にイラストを配したものがちょっと個性的だったかも。
 でも、絵本の挿絵(?)の方はあまり詳しくないので、芸術的にどの程度価値があるかは・・・?
●西洋の眼
 出品作家それぞれが、なにかしら○○賞受賞であったり、文化功労者だったりしてすごい経歴の持ち主ばかりだった。有料の展覧会なんだけど、都美術館でやってるようなああいう展覧会の一種なんだろうか?
 知っている名前の作家が2,3人ほどいた。先日国立新美術館で見た「旅」展に出品していた作家もいた。
 日本画あり、油絵あり、ミクストメディアもあり、ちょっと雑多だったけど、最新日本画壇(?)の動向がうかがえた、ような気がする・・・。
●三井家のおひなさま
 この美術館、最初の方はいつも茶道具が並んでいるのだが、企画展の度に展示替えしているのだろうか。(しているような気もするが・・・。)
 代々三井家に嫁いだ女性の華やかなおひなさまが並んでいた。大名家から嫁入りしてくる例が多いようだ。(うがった見方だけど、三井家は(豪商とはいえ)「商人」だから、多額のお金を積んで大名家からの姫君を迎え入れたのだろうか。)
 ものすごい段飾りもあるし、大小様々なひな人形が並んだ様は壮観。ほかに端午の節句の人形などもあった。
●川俣正
 今日の写真のように、展覧会会場はもとより、美術館の内外にもベニヤ版の「通路」を配置。普通は作品を並べて展覧会とするものを、「通路」を主役にして、そこを自由に行き過ぎる行為を主眼としている。ちょっといい発想だと思った。
 会場内には「ラボ」と呼ばれるスペースがいくつか配置され、そこで様々なプロジェクトをしている。なんか、おっさんが座って話し合いをしていて、「川俣さんかなぁ」と思って、あとで係員に聞いたらその通りだった!
 ラボで作業している人に「何をしているんですか」と聞いたら、丁寧に答えてくれたり、トークイベントをする会場(ベンチもベニヤで作られている)ではコーヒーやお酒まで売られていたり、かなり破天荒な「現代芸術」だった。
 映像展示で、「反対」のシュプレヒコールや署名を集めている人々が映っていて、「何に反対しているのですか?」と聞いたら、(予想通り)純粋に「反対のための反対」をしているのだという。それが面白かった。
●MOTアニュアル2008
 出品作家5人中、3人が僕より若い・・・。最年少の彦坂氏は1983年生まれ(!)である。みんな頑張っているなぁ・・・。
 このシリーズは過去にも見ているが(このブログに記事があるはず・・・2007年、2006年と見ていた)、毎回会場を自由に、かつ贅沢に使っているので見ていて気持ちいい。今回もそうだった。
 「これをもってして(展示して)アートというか!」みたいなのもあったけど、現代の芸術は多様性があるのでクラシック(古典的)な発想では収まりきらないというものだろう。今の現代美術が「100年後」どのような評価を下されているかを知りたいが、そのときには僕はこの世にいないし。(長生きはしたいけどね。)
 出品作の中では、手塚愛子の大きな大きな織物作品が印象に残った。
 今日は現代美術館の常設展解説ツアーを楽しみにしていたのだが、特別展開始直後ということでお休みだった。非常に残念。前回の特別展の時と、常設展の内容はほとんど差はないと言われたが・・・。
 でも、井上さんと常設展をまわっていて、結構いろんな作品を僕が「これは〜〜なんだよ」みたいに"解説"できたので、我ながら苦笑してしまった。
 時間があれば(三井記念美術館のあとに)ブリヂストン美術館にも寄りたかったのだが、時間的な余裕がなくてパスした。現代美術館行きのバスの時間が迫っており、ランチの時間も満足に取れなくて、東京駅通路のピザ屋さんでピザをかき込んだ。(意外にかなりおいしかったのだが、味わっている余裕もなかった。1枚1枚丁寧にピザを焼いていた。)
 帰りもバスで東京駅に行き、そこで解散した。
 井上さん今日は同行してくださってありがとうございました。いろいろ同期の人のお話も聞けて懐かしかったです!