muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

舞台 : 劇団フルタ丸公演 「うつくしい革命」

劇団フルタ丸「うつくしい革命」

 下北沢「劇」小劇場にて、劇団フルタ丸10周年記念公演「うつくしい革命」を観てきた。(作・演出・出演:フルタジュン)公演5日目の舞台。
 事前情報で、「演じることを禁じられた役者達が・・・」とあったので、面白そうだなと思い、期待して劇場に足を運んだ。
 物語は、「演じなければ」衣食住すべて与えられる(働かなくていい)町に住む、元役者達の物語。「演じる」ことは固く禁じられており、「演じれ」ば警官に射殺される。元役者は、舞台、映像、声優、AV女優と色々あり、対立しあったり、協力し合ったりしながら「革命」を目指す・・・というもの。観客の視点は、主演(?)の、元舞台役者で、町にやってきたばかりの女性と同じだと思う。
 役者が「演じない」役を演じると言うことでパラドキシカルだし、それぞれのキャラもよく立っていた。舞台役者と映像役者達の罵り合い(?)も、非常に面白かった。
 最後には「役者」達が撃たれて死にまくるんだけど、それすら「死」を演じてるんじゃないかと言う感じで、リアリティがなかったのがよかった。
 いい芝居は台詞の1つ1つが光ってるし、いい意味で緊張感がみなぎっている。最後まで物語に引き込まれた。
 ちょっと暗転が多かったのと、音響効果がいまいちな部分があったのと、僕にはストーリーが複雑すぎた(雑多)な部分があったけど、非常にいい舞台でした。
 作・演出のフルタジュンさんは、学生時代「観る芝居観る芝居「全部つまんねぇわ!」」と思っていたそうだ。僕も学生時代を思い出してその気持ちがよく分かるような気がした。(甘酸っぱいような、恥ずかしいような、そんな感じ。)彼がかつて描いていた、「26歳で本多劇場、28歳でパルコ劇場、30歳でブロードウェー」という夢は叶えられなかったけど、小劇場でもいい舞台を創ってらっしゃるので、彼の思い描く夢に向かって突き進んでほしいと思った。
 役者達も好演していた。スナハラ役の女優さんは、「素」の状態を多く演じているので、難しかったと思う。役1人1人が個性的で、演じている方は気持ちよかっただろうなぁ・・・。
 脚本もよかった。劇中に出てくる、「いかにもダメな舞台」の台詞は笑いっぱなしだった。(役者達も非常に臭い演技をしていてそれが一層盛り上げる。)「舞台」というものに対するパロディとか、オマージュ、なんだろうか・・・。(わかんないけど。)
 公演は9日まで。がんばってください。
●劇団フルタ丸・・・http://furutamaru.com/