muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

「リヒテンゲールからの招待状」「第一回公演おぐら」

浅野泰徳さん

 新宿・プーク人形劇場にて、ジャングルベル・シアター公演「リヒテンゲールからの招待状」昼の公演を観た。(脚本・演出・出演 浅野泰徳、演出・増田光彦)
 まず、脚本がうまい。大人のための上質な童話といった感じで、甘くなく、多少ほろ苦さもにじませながら物語は進んでいく。
 俳優陣の演技は、ことさらに「舞台的」なものではないが、粒のそろったアンサンブルを見せていた。一番芸達者だったのはノエルの鈴木さんだろうか。この人、物語の前半はかわいらしい少女のカヤネズミ、後半は魔女(悪役)という演じ分けをしているのだが、その変容っぷりが見事だった。鬼気迫る表情をしていた。またリヒテンゲール(ネズミ)役の浅野さんははまり役。この役以外の彼があんまり想像できない・・・。ノエル以外の女優陣にもうちょっと深みがあったなら・・・と思った。
 途中、ノエル(変身前)がクモのアラーニャをナイフで唐突に刺すシーンがあり、「善人がいきなり刺すってどういうこと?」と変に思ったのだが、あとから魔女になることもあり、伏線だったのねと納得した。ネズミのリヒテンゲールは最後、魔女に彼女の本名を告げて魔女を葬るときにも「さよなら」と悲しげに声をかけるなど、細かいところまで配慮の行き届いた脚本だった。
 公演は今日夜の部で千秋楽。公演によってはチケット完売というのも納得。週末の休日にも公演があればよかったのに・・・。お疲れ様でした。
 夜は神楽坂 die pratzeにて劇団おぐら「第一回公演おぐら」を見た。本日初日。(作・演出・出演 佐藤充晴とか・・・とかってなんだよっおいっ)
 若い劇団にありがちというか、なにか既成の概念を打ち破ってやろうみたいな気負いばっかりあって、素直に楽しむことはできなかった。この劇団のサイトを見て「脱力系?」とか思ったけど、確かに力は抜けているのだが、「余裕をかます」というのにはほど遠かった。初日だからか、セリフのとちりがあまりに多いし。
 この劇団は一回限りの結成らしい。これで解散してしまっても誰も惜しまないのではないか。演じてる役者たちは生き生きとしていて楽しそうだったが、本当のエンターテイメントというのは自分たちではなく観ている者を楽しませなくては。
 劇団おぐらの公演は11/28まで。
●ジャングルベル・シアターのサイト・・・http://www.junglebell.com/
●劇団おぐらのサイト・・・http://www.geocities.jp/oguraoguogu/