muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

「ピカソ展 躰〔からだ〕とエロス」「ロミオとジュリエット」

「ロミオとジュリエット」立て看板

 かねてより行きたかった、東京都現代美術館の「ピカソ展躰〔からだ〕とエロス」を見てきた。この前はジャクリーンコレクションということで損保ジャパンのピカソ展も見てきたのだが、今日のはエロス、愛と死という点にポイントを置いていた。
 とはいっても一人で行ってきたのであっという間に見終わってしまい、あまり印象という印象はないのだ。今日書きたかったのは、そのあとに見た常設展のことである。
 14:00からボランティアの人による常設展の解説(毎日やっているらしい・・・担当するボランティアはその都度異なり、30人ほどが登録されている模様)というのがあり、1階と3階の常設展を1時間半ほどかけてじっくり解説してもらい見て回った。
 「現代美術には「傑作」というものがない。傑作というのは100年ほどして評価の定まった作品のことをいう」「リキテンスタインの作品は、本などに掲載されてサイズが小さくなってしまうと、価値を失い、本来の安っぽいマンガになってしまう」など、興味深い解説があり、面白かった。さすがに作品を一つ残らず解説していたわけではないので、素通りしてしまうこともあったけれど。
 途中からボランティアトークに参加してきた中年のおじさんがまさにDQN(この単語はできれば使いたくなかったのだが)で参った。というより非常に不愉快な気分に。趣味で油絵を描いているらしく、「○○○○(日本人作家)? あー知ってる」「これも××の絵? 下(に展示してあった)のはいかにもそうだったけどねぇ」「草間弥生は弟子に作品描かせてるんでしょ? 平山郁夫もそうなんだって?」などと知ったかぶりを連発。そもそも自分で油絵描いているような人が(趣味程度なんだろうが)なぜ「解説してもらわないと現代美術ってわからないねぇ〜」などと感慨深げなのか。しまいには「ここ(東京都現代美術館)の館長って病気でやめたんでしょ」などと関係ないことも言う始末。本当に腹が立った。絵をまったく知らない素人がとんちんかんな質問をするとか、そういうのならDQNではないのだ。
 今日のボランティアトークの人は、専門が建築で技術屋という年配の男性。平井さんというのだそうだ。ありがとうございました。
 夜は四谷の上智小劇場(上智大学内)で行われたAnjuta(アニュータ)公演「ロミオとジュリエット」を見た。(公演二日目。原作・W.シェイクスピア 脚本・演出・出演 猪瀬隆)
 なんというか、「可もなく不可もなし」と言ってしまうとちょっとほめ言葉(?)になってしまうような、微妙な公演だった。
 まず、役者が若くて演技力がまだまだ。舞台的な演技ではないし、普段着の演技というには棒読みが目立つ。
 舞台セットはかなり力を入れたらしく、ジュリエットの部屋、神父の居間などいくつかのセクションに分かれたものが回り舞台でシーンに応じてくるくると回る。これはなかなかの力作で見ていて気持ちよかった。とはいえ舞台が小さいのでコンパクトな分つらいんだけど。
 そもそもロミオとジュリエットって上智「小劇場」でやるようなお芝居じゃないでしょ。この団体は学生演劇らしいが、果敢に挑戦してみましたが、いかがだったでしょうか、みたいな趣を感じた。
 公演は12日まで。
●東京都現代美術館のサイト・・・http://www.mot-art-museum.jp/
●Anjutaのサイト・・・http://www.anjuta.net/