muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

「Do It」「銀河の中の賢治」

本日のブディストホールのロビー

 築地にあるブディストホールにて、ミスタースリムカンパニー公演「Do It」三日目の公演を見てきた。(作・演出・脚本・声の出演 深水龍作)
 ロックンロールミュージカルを銘打っているのだが、その名の通り歌とダンスをふんだんに織り交ぜた大変にパワフルな舞台だった。休憩を挟む二幕の公演だが、退屈させない。演技も手慣れたものだ。
 天使が二人出てくるストーリーなのだが、これがいまいちよくわからない。重要な役所なのか? ほかの出演者には姿が見えないという設定なのだが、ファンタジーな物語でもないし。
 ストーリー的には筋は単純なのだが(歌とダンスがメインだと考えれば複雑な筋立てなど必要でないだろう)、前述の天使がいるせいでややわかりづらくなっている。舞台の「芯」のようなものが見えてこないのだ。(いい意味で)パワフルな舞台なので、そんなことを考えて見られるような余裕はないが。
 終盤、一番最後のナンバーがいきなりブロードウェイ的ミュージカルナンバーになっていてびっくり。曲が悪いということではないが(ちゃんとした歌です)、ややロックンロールミュージカルにはそぐわなかったかも。
 アンコールはステージ狭しと全員が駆け回り、歌いまくる圧巻の舞台。少々このブディストホールが手狭なような気がした。この団体、来年は東京芸術劇場小ホール(池袋)で公演するようだが、芸劇くらいの広さのステージでやらないとちょっと寂しい。
 公演は12日まで。がんばってください。
 夜は赤坂にあるシアターVアカサカにて、UPS Academy公演「銀河の中の賢治」初日を見てきた。(原案・奈良橋陽子、脚本・菊地隆則、奈良橋陽子、演出・奈良橋陽子)
 UPS Academyという演劇学校(だと思う)の2004年度卒業公演ということで、パンフレットには役所広司、渡辺謙、桃井かおりらそうそうたる顔ぶれの人たちが「メッセージ」を寄せていた。(一番文章がよかったのは桃井かおり。)
 卒業公演ということで役者たちはまだ若く、演技は全体的にまだまだ。肝心の宮沢賢治役の人が風貌はよいのだが演技が若くて・・・。
 舞台を通して見ると全体のテンポが悪い。静かな雰囲気の芝居で(激するところもあるが)、あまり心に響いてこない。こういうのが宮沢賢治の世界観なのだろうか。
 現実世界と宮沢賢治作品の「銀河鉄道の夜」を行き来する舞台だが、照明もいまいちで幻想味が足りなかった。
 公演は12日まで。
●ミスタースリムカンパニーのサイト・・・http://www.mrslim.net/company/
●UPS Academyのサイト・・・http://www.upsnews.co.jp/