muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

ペテカン公演「やわらかな君の髪をなでる」(男性バージョン)

駅前劇場に届けられた花など

 下北沢にある駅前劇場にて、ペテカン公演「やわらかな君の髪をなでる」(男性バージョン)5日目昼の公演を見てきた。(作・演出・出演 本田誠人)
 この公演には「男性バージョン」「女性バージョン」と二通りあり、今日は男優ばかりの(出演者全員男)による男性バージョンだった。
 舞台は男性同性愛者向け出張ヘルス(マンションの一室)を舞台に繰り広げられる、ゲイの人たち(全員がゲイという設定ではないらしい)の何気ない日常劇というところか。同性愛に対してはことさらには焦点を当てていない。(この作品に関しての重要なファクターではあるが。)
 まず演出。細部まで配慮の行き届いて、非常に丁寧な演出だった。音響もなかなか巧いし、星のステッカーをあちこちに貼って、ブラックライトで光らせるシーンは本当に素敵だった。(客席からも拍手がこぼれていた。)また、ラストで「髪をなで」ながら暗転していくのだが、タイトルを自然に思い起こさせてよかった。ほかにも光る演出がたくさんあって感心するのだ。
 とはいえ脚本に魅力があまりなかったように思う。慎重に言葉を選んでいるような台本で、そんなに喋りまくるというものでもない(沈黙が多かったわけでもないが)のだが、明確なストーリー展開を好む自分には物足りなかった。(こういうスタイルの脚本も「あり」だとは思うし、演劇的にはけして悪くはないのだろうということは想像できる。)
 役者の演技はいい意味で自然体で好感が持てた。
 公演は12/19まで。がんばってください。
●ペテカンのサイト・・・http://petekan.com/