muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

「4つの展覧会(上野)」「innocent snow」

兵馬俑(レプリカ)

 上野で4つの展覧会を見てきた。「フィレンツェ−芸術都市の誕生」(東京都美術館)、「HANGA 東西交流の波」(芸大美術館)、「翡翠展〜東洋の至宝〜」(国立科学博物館)、「大兵馬俑展〜今、甦る始皇帝の兵士たち〜」(上野の森美術館)
●「フィレンツェ展」・・・ルネッサンスの頃のフィレンツェの彫刻、織物、絵画などを展示。当時の肖像画があったのだが、貴族の婦人の肖像画で、着ているものが豪華だった。当時の衣装の実物もあったが、さすがに色あせているものの、往時はさぞかしきれいだったに違いない。
●「HANGA展」・・・切手になっている浮世絵があった! 小さい頃切手収集に熱を上げていたこともあって、「切手」になっている作品を見ると興奮してしまう。そのほかにもゴッホ、マネ、リキテンスタインやウォーホル、マティスなど誰でも知ってるような人の版画が目白押し。(ゴッホは生涯にただ一点しか銅版画を残さなかったそうだ。)ウォーホルはマリリン・モンローの特大リトグラフ(だったかな)の8枚連作だったのだが、鮮やかだった。マティスは「ジャズ」、リキテンスタインはお決まりの、「マンガの拡大プリント」だった。そのほかにも、日本人作家の版画作品(棟方志功や、現代作家)がたくさんあった。
●「翡翠展」・・・翡翠を装飾に用いた最古の文化は、日本の縄文文化だという点にまず驚き。その頃の勾玉などは素朴なものだが、故宮博物院所蔵の清代の翡翠細工にはため息が出た。なんというか、贅を尽くして豪華なのだ。「白菜にコオロギ」とか「にんじん」の翡翠細工がなんかおかしかった。白菜は長寿の象徴なのだという。また、現代宝飾作家の翡翠作品も素敵だった。買ったらいくら位するんだろう・・・。大きな大きな翡翠の原石も置いてあったが、いくつかは実際に触ることができた。今でも海岸に翡翠が転がってるところがあるらしい。いつか取りに行けたらいいなぁ。
●「大兵馬俑展」・・・写真は、美術館前に飾られていた撮影可の兵馬俑(レプリカ)である。展示はどうも作品数が少ないような気が。中国での兵馬俑の展示は、無数に立っていてとても迫力があるだけに、今回の展示ではせいぜい20体くらいしかいっぺんには展示していなくて、迫力不足の感は否めなった。会場の広さの都合もあるとは思うが。ほかにもいろいろ秦代の考古物が展示してあって興味深かった。 
 夜は目白にあるアイピット目白にて、劇団夢のミルクこうじょう公演「innocent snow」初日を見てきた。(作・演出・出演 早川浩史)
 初日ということもあってか、演技が全体的に硬い。妙にハイテンションだったり、やけに「舞台的」(悪い意味で)な演技を見せている役者もいた。(キャラクター作りということなのだろうか。)
 この劇団の舞台を見るのは3回目で、以前は「変な」(?)コメディを作っていたような気がするが、今回はじっくり見せるシリアスなステージ。主演の早川浩史さんも、いつもは着ぐるみを着たりとか一風変わった人物を演じていたが、今回は完全に「主演」である。(二の線だ。)
 全体を通して見ると、どうも脚本が好きになれない。けっこうまだるっこしいのだ。ラストもやや冗長だし。
 準主役の女優さんが劇中何度も(実際に)涙を流していたのだが、こういうのを見ると、「迫真の演技だなぁ」とは思わずに「役者冥利に尽きるだろう」と妙に羨ましくなる。
 照明や音響が平凡・・・というかワンパターンだった。また、劇中雪が降るのだが、降らせ方が下手。もっとセンス良く「降ってるように」降らせてほしい。
 公演は12/20まで。
●東京都美術館のサイト・・・http://www.tobikan.jp/
●芸大美術館のサイト・・・http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/planed_jp.htm
●国立科学博物館のサイト・・・http://www.kahaku.go.jp/
●上野の森美術館のサイト・・・http://www.ueno-mori.org/
●劇団夢のミルクこうじょうのサイト・・・http://yumenomiruku.fc2web.com/