muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

ミリタリーパワーサード「えんとつの上、星空の下」乞局「耽餌」

王子小劇場に届けられた花

 昼は新宿の新宿シアターブラッツにて、ミリタリーパワーサード公演、新宿シアターブラッツ・プロデュース公演01「えんとつの上、星空の下」3日目のマチネを観てきた。(原作・井咲奏、作・緒川桐子、演出・梨本浩市)
 成仏前の幽霊二人と、葬式後の遺族のどたばた劇。(手前の居間と奥の幽霊界(?)で話は進み、最後にクロスする。)見終わったあとの感想としては、結構よかったのだが、印象には残りづらく、可もなく不可もなしという言い方もできる。
 演技は悪くなかったと思う。芝居中に涙を流す女優も複数いたりして、ちゃんとお芝居していた。
 脚本は、前半やや冗長だったが、決め所は決め、笑わせるところもあり、及第点だと思う。
 ラストシーン、シャボン玉がいっぱい出てくる演出はよかったが、照明が常套的で残念。もう一工夫ほしい。
 公演は10日まで。
 夜は王子の王子小劇場にて、乞局(こつぼね)第8回公演(王子小劇場提携公演)「耽餌〜たぬび〜」初日を観てきた。(脚本・演出・出演 下西啓正)
 いろいろと(いい意味で)印象に残る舞台だったが、一番私を戸惑わせたのはその演技の有り様(ありよう)である。
 全体に演技の沸点が低く、「私たち、お芝居、演技してます」というのとは縁遠い。下手したら深夜のやる気なさそうなTVドラマのようである。特定の役者だけがそうなのではなく、全体にそのトーンで演技が統一されているのでこれは演出なのだろう。いろいろと小劇場の舞台を見ている私にも、かなり独特と映った演技であった。一歩間違えたらTVドラマの演技に陥るところであった。危ない危ない・・・。
 複数のストーリーが絡み合い、ラストへと徐々に進んでいく脚本はなかなかよかった。「付き人」(この芝居で使われる、犯罪出所人後見人(同居人)制度・・・架空の制度であろう)を殺してしまうというのはやや安直であったかも知れない。説得力のあるラストではあったが。
 以前このブログでも取り上げた、サンチャゴの主宰、吉田海輝さんが(純粋に)役者として出演されていた。久しぶりにお目にかかれてうれしかった。(終演後挨拶をしたら、僕のことを覚えていてくださって感激。)吉田さんの役は知的障害があるという設定なのかなぁ・・・違うとは思うが・・・。(聞けばよかった。)
 公演は12日まで。千秋楽まで頑張ってください!
●ミリタリーパワーサードのサイト・・・http://military.web.infoseek.co.jp/
●乞局のサイト・・・http://kotubone.hp.infoseek.co.jp/