muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

「千慮の一失」「鳩とか腹とか振り子とか〜」

素敵な洋館の玄関

 昼は目白にある、目白台和敬塾(わけいじゅく)内 旧細川邸サロンにおいて、サロン劇場 和敬塾サロン第8回公演「千慮(せんりょ)の一失(いっしつ)〜すべては考えつくせません〜」公演5日目のマチネを観た。(原作・A.ミュッセ、脚色・演出補・出演 村松英子、演出 観世榮夫)
 主演の村松英子(むらまつえいこ)さんとは、このサロンで1995年に「気紛れ」(A.ミュッセ)を、97年に「班女」(はんじょ・・・三島由紀夫の近代能楽集より)、同じく97年と98年にミステリイ・コメディ・ツアー「館の殺人」を共演(ピアニストとして)したことがある。今日は5年ぶりに和敬塾サロンを訪れたが、自分が出演したときのことを思い出して感慨深かった。
 会場となる洋館は、旧華族細川氏(細川護煕元首相の一族)の旧居で、今は都指定の文化財になっている。そこのサロンを使っての上演である。
 舞台は、戦後の安定期の日本を舞台にした(村松さんが脚色)一幕喜劇。45分と短いお芝居だが、その中になんともいえない優雅さ、上品さがただよい、雰囲気のよい舞台だった。
 ストーリーは、二組のカップルが結ばれる話。縁を取り持つのが坂上二郎さん扮する本島(もとじま)という人物だ。村松さんの娘さん、村松えりさんも出演されていた。
 オープニングはモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」の序曲から。劇中、歌を歌う場面がいくつかあり、村松さんご自身のピアノ伴奏で歌われていた。(サティの Je te veuxなど。)劇のラストは、再び「フィガロの結婚」からケルビーノのアリア(「恋とはどんなものかしら」・・・今日のタイトルでは「わが胸の燃ゆるは」)を、訳詞で客席も一緒になって歌うという趣向だった。
 村松さんの演技はどこまでも優雅で、品がある。共演陣も演技のアンサンブルが揃っていてよかった。坂上二郎さんは持ちネタであろう「飛びます、飛びます」も披露してくださった。終止笑いの絶えない公演だった。
 会場には藤村俊二さん、ピーコさんからの花束もあり、玄関先、ロビーとまるで花屋さんのようだった。
 公演後、小パーティがあり(公演後のパーティはサロン劇場の恒例)、コーヒーやワイン(ボージョレーヌーボー)、おつまみが振る舞われた。僕もコーヒーを飲みながら村松さん、えりちゃん、観世先生にご挨拶した。お三人とも元気そうでよかった。
 公演は12/4まで。千秋楽まで、公演のご成功を心よりお祈りします。
 夜は江古田の江古田ストアハウスにて、インパラプレパラート公演(5th Contact)「鳩とか腹とか振り子とか、きっと君の体内には廻るクロニクル」(長いタイトルだな)初日を観た。(作・演出・出演 大矢場智之)
 開始早々「だめかも?」と思い、続いて現れた映像と役者紹介を見て「いいかな?」と思い、開始10分後には「やっぱりだめか・・・」と思った。そしてその思いは舞台終盤までなかなか覆らなかったのだが、終わり近くになり「持ち直したか!?」と感じた。しかし、ラストシーンは気に入らなかったので全体の印象はかなりだめだめであった。
 舞台セットはまぁまぁ、衣装はいまいち、脚本と小道具は全然いただけなかった。小道具はちゃちすぎるのだ。
 物語は、昔話のような王国を舞台にし、時計と時計職人を中心に描いていくストーリー。町の人たちが疫病(実は時計の異常)で次々に倒れ、「このあとどうなるのかな?」と思わせたところはよかったのだが、ラストシーンが意味不明で面白くなかった。
 演技は初日とあってか、前半は硬かったが、後半は持ち直していたと思う。
 公演は11/27まで。
●インパラプレパラートのサイト・・・http://homepage3.nifty.com/inpara-net/