muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

森と湖の詩サロンコンサート V

来場者からのお花など

 船堀の、タワーホール船堀小ホールにて、「新田ユリプロデュース 森と湖の詩サロンコンサート V Viltuは語る おめでとうシベリウス! 140歳の誕生日によせて」を聴いてきた。(ヴァイオリン・佐藤まどか、ピアノ・ラファエル・ゲーラ、お話・新田ユリ)
 当夜のプログラムは以下の通り。
♪シベリウス:4つの小品 作品78
♪シベリウス:ソナタ ヘ長調(作品番号なし)
♪エイナル・エングルンド:序奏とカプリッチョ
♪シベリウス:2つの小品 作品77
♪シベリウス:5つの田園舞曲 作品106
〜アンコール〜
♪シベリウス:ワルツ
♪シベリウス:マズルカ
 今日、12/8はシベリウスの誕生日で、生誕140年ということだ。
 まどかちゃんは芸高・芸大の同級生でこれまでに何度も演奏を聴いたことがある。(このブログにも記載しているコンサートがある。)シベリウス国際ヴァイオリンコンクールで3位入賞、芸大博士課程修了(音楽博士)、そして先日はシベリウスのヴァイオリンコンチェルトの初稿版を日本初演したという輝かしい経歴の持ち主であり、私のよき友人でもある。(初稿板初演のコンサートはこのブログにも記載している。
 さて、コンサートであるが、シベリウスのスペシャリストとして安定したとてもいい演奏を聴かせてくれた。さすがという感じである。
 共演のピアニスト、ゲーラさんはメキシコの出身で、1997年から日本に拠点を移して活動している。今日は全曲ピアノの蓋を全開にしての共演だったのだが、終止独奏ヴァイオリンを引き立てていた。全然うるさくないのだ。(もうちょっと主張があってもいいくらいに思った。)下手な伴奏者だと楽譜のf(フォルテ)をそのままfにして独奏楽器をないがしろにしてしまうものだが、今日はある意味完成されたアンサンブルを見たような気がする。
 エイナル・エングルンドという作曲家(1916 - 1999)はシベリウスアカデミーを卒業、タングルウッドに留学した人で、コープランドに師事したこともあるそうだ。今日の「序奏とカプリッチョ」は、クラシックの手法で書かれたちょっと無調ときに・・・といった感じの曲であった。
 アンコールは特に素晴らしく、伸びやかに演奏していた。ブラボーの声も飛んでいた。
 お話、そしてプロデュースの新田ユリさんは、指揮者として活動されている方で、今日も曲にまつわるいろんな話をしてくださり興味深かった。
 途中、新田さんとまどかちゃん、ゲーラさんでお話しするシーンがあったのだが、「もし今日シベリウスが目の前にいたらどんなことをお話ししたいか?」という問いに対し、まどかちゃんは「シベリウスと音楽の対話をしてみたい」と答えていた。
 今日は知り合いにもいろいろお会いした。まどかちゃんのお母様をはじめ、芸大の作曲科の同期、赤毛のアンでご一緒したオケの人、芸校でお世話になった先生(担任で、コンサート前にデニーズで隣の席だったそうだ・・・全然気づかなくてすみません)、芸校の後輩・・・みんな懐かしかった。
 休憩時間に、京都の「キートス」というお店からお菓子の提供があり、「カルラヤン・ピーラッカ」というのをいただいた。全然甘みがなく、ちょっとしたパイのような、不思議な味のお菓子だった。
 終演後、まどかちゃんにご挨拶。今日一緒にコンサートに来てくれた、このブログにもコメントを寄せてくださるWaTaNaBeさんをご紹介する。まどかちゃんはすごく忙しい人だが、機会を見つけて三人でお茶でもできたらいいなと思う。
 全体として、サロンの香り漂う、感じのいいコンサートであった。