muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

AND ENDLESS「BIRTHDAY」メタリック農家「熊」

OFF・OFFシアターの受付

 昼は新大久保の東京グローブ座にて、AND ENDLESS第25回公演「forty seasons and endless BIRTHDAY」公演二日目のマチネを観てきた。(作・演出・出演 西田大輔)
 東京グローブ座に行くのは大学1年の時以来15年ぶりくらいで、近年はあのジャニーズ事務所の管理下に置かれているそうで、会場が見たかったのがまず一つ。
 今日は「演出の都合」で、3階席のチケットを買った人は2階に、2階席の人は1階席に移動とのこと。やはりというか2階から上はほとんどがらがらだった。(誰もいないように見えた。)平日マチネを埋めるのはきついんだなぁ・・・。
 さて、芝居は暗転が続く中、役者の長いモノローグから始まる。これで「え?」とか思ったのが運の尽き、最後まであまり面白くなかった。(途中休憩を挟み、3時間近くの長丁場・・・。)
 ストーリーは、イタリアにある実在する劇場「フェニーチェ劇場」(歌劇場だったと思う。ベルディのオペラ「椿姫」の初演の地)の火事の事件をモチーフにしたファンタジーもの。
 セリフが断片的でなかなかこちらの頭の中に入ってこない。ストーリーも複雑に思えた。
 大勢の役者のほかにダンサーも多数出演、舞台の随所にダンスが織り込まれるのだが、これが芝居に有機的に絡んでこない。不満が残った。(ダンス自体もそんなに高度なものではないような印象が・・・。)
 ラストシーン、役者たちが舞台に勢揃いし、虚空の一点を見つめる芝居。ベタすぎるのでやめてほしい。
 そんな中ただ一つ、役者の発声だけがよかった。多分PA(マイク)は使っていないと思うのだが、ちゃんとはっきり声が聞き取れた。かなり広い会場なので、これには感心した。
 この日の昼の部に限り、終演後トークショーがあり、この劇団は創立10周年なのだそうだが、10年間の劇団内ニュースベスト10を発表していた。
 それによると、神戸の公演で、まだ公演最終日前だというのに朝になってもまだ飲み会が終わらなかったりとか、今回の舞台で、初演の前日になって役の交代があったりなど(役者の椎間板ヘルニア再発のため)、かなりヘビーな話が聞けた・・・。
 公演は29日まで。
 夜は下北沢のOFF・OFFシアターにて、メタリック農家公演「熊」公演8日目の舞台を観てきた。(作・演出・出演および宣伝美術 葛木英(くずきあきら)・・・女性です)この劇団の旗揚げ公演の再演だそうである。
 千葉にある小さな喫茶店、主人が借金を作って家出してしまう。そんな始まり方。
 序盤は正直どう受け止めてよいのかわからなくて、「可もなく不可もなし」かなぁ・・・などと思ってしまった。
 ところが、ディズニーランドから逃げ出してきたミニーマウスが喫茶店に転がり込んできたところから物語は急展開。唐突にダンスシーン(個人的にはミュージカルシーンと呼びたいところ)が始まり、物語は徹底したディズニーワールドのパロディに仕立て上がってしまう。ミニーはミッキーのことを「仕組まれた恋人」と呼び、くまのプーさんは不気味な諜報部員の「プー」に、シンデレラは悪の女王として登場する。
 ここらへんのセリフ回しが本当に面白いのだ。日本国民の誰もが抱いているディズニーの強大な力に対するある種の嫌悪感(?)を代弁している。
 オープニングとエンディングは、映像・・・というほどではないのだが、文章をスクリーンに映し出していた。それによっておとぎ話性が高まったと思う。ラストで喫茶店の店主がミニーに(誤って)刺されて死んでしまうのだが、それも「ディズニーの強大な力によってもみ消され」てしまうのである。ここでまたにやりとさせられた。
 そして舞台美術がなかなかよかった。下品な電飾や安直な書き割りがいい味を出していて好感持てた。
 今日はまさに東京ディズニーリゾートで働いている友人と観たのだが、彼も大受けしていた。(昼の芝居も一緒に見たのだが、こちらは「つまんなかったね」で意見の一致を見た。)
 これは私の感想だが、多分作者の主眼はディズニーのパロディではないんじゃないかと思う。なにかもっと別のことを訴えたかったように感じられた。それがなにかは私にはよくわからなかったが・・・。
 公演は29日まで。
●AND ENDLESSのサイト・・・http://www.andendless.com/
●メタリック農家のサイト・・・http://www.metanou.com/