エメルパス「lady M」プロジェクトアイ「それが棺だと知らなかった頃
昼は新井薬師前のウエストエンドスタジオにて、emeЯpus(エメルパス)公演「lady M -最後の事件-」公演3日目のマチネを観てきた。(作・演出・出演 野口浩史)
タイトルを見て「つまんないかも」と思ったら本当につまんなかった。とても。
物語は近未来の戦争みたいなものをフューチャーしたような・・・ラブストーリーも絡んでいる。
とにかくつまんないのに長いのだ。休憩も挟んで2時間半くらい延々とやっていた。
絶叫ゼリフが多い。なにかというとすぐに叫ぶのでこっちが疲れてくる。あと、BGMが多い。安っぽいTVドラマみたいだ。
ラストも冗長。(いつにもまして。)「もう終わるかな」「これで終わってもいいよな」と思う箇所がいくつもあるのに、まだまだ続くのだ。最後にヒロインはウェディングドレスまで着て現れる始末。なんだかなぁ・・・。
「つまらなさすぎて印象に残る」好例であった。
公演は明日まで。
夜は中野の劇場MOMOにて、プロジェクトアイ公演(プロジェクトアイ3部作第二弾)「それが棺だと知らなかった頃」公演4日目のソワレを観てきた。(作・演出 石川あさみ)
物語はこちらも近未来。2028年の夏のお話だという。山の中にある寂れた博物館にある「タイムマシン」を巡るストーリー。
「タイムマシン」は確かに劇中の重要な小道具なのだが、あまりそれにとらわれることはない。(純粋なSF話ではない。)タイムマシンを巡る人物群像・・・のように感じられた。なお、タイムマシンの中に生身の人間が入っていた。(セリフは最後まで一言もない。)
この舞台、いい意味で「間が悪い」のだ。たとえば、雑誌記者二人が博物館の人間を部屋で待っているシーンがあるのだが、博物館の人間が待てども待てども登場しない。しまいには劇中で記者が「まだですかねぇ」と言っている始末だ。TVだったら放送事故にもなりかねない長さであった。この「間」の悪さが多分に演劇的に思えたのだ。舞台ならではの表現、様式というか。
ストーリーは謎が謎を呼ぶような構造になっていて、「これからどうなるのだろう」と飽きさせない。(変に間が悪いにもかかわらず、だ。)
ただ、ラスト近くで博物館の人が自分で自分の胸を刺してしまうというのはやや安直に思えた。(その人物は倒れるのだが、死んだのかどうかははっきり描写されない。)
最初にこの舞台のタイトルを見たとき、なんのことだかよくわからなかったのだが、見終わってみると重大なネタバレをしている・・・というか「あぁ、そうだったのか」と納得させられるタイトルであった。
ゆったりとした不思議な印象を残す舞台である。
公演は明日まで。千秋楽まで頑張ってください!
●エメルパスのサイト・・・http://emerpus.com/
●プロジェクトアイのサイト・・・http://gurasanpants.com/