muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

ぱるエンタープライズ公演「のっぱら讃歌-傷だらけの青春-」

ロビーの花束

 池袋の東京芸術劇場小ホール2にて、ぱるエンタープライズ第8回公演「のっぱら讃歌-傷だらけの青春-」Aキャストによる公演2日目マチネを観てきた。(作・出演 米田基、演出・加藤まゆ美)
 この劇団のお芝居は、去年の4月27日にも同会場で見ていて(このブログに感想があります)、そのときは「あまりおもしろくない」と書いたのだが、今回はどうだろうと思ってあまり期待せずに劇場に足を運んだ。そして、やっぱり面白くないのだった。 
 舞台は終戦直後、進駐軍の時代の日本。登志子という女性がアメリカ兵ベイブの足を傷つけてしまうが、2人の間に愛が芽生えていくというもの。・・・無理がありすぎ。最後には結婚までしちゃうのだ。(カーテンコールで登志子がウェディングドレス姿(!)で登場。)
 単純なラブストーリーだったらまだわかりやすかったのだが、ほかにも朝鮮人とのケンカ騒ぎ、日本人と朝鮮人の軋轢なども盛り込んでくるからややこしいこときわまりない。
 「青春人情活劇」と銘打っていて、役者(20人くらい出てきた)たちがみな若い。この若さが裏目に出て、演技に全然深みがないのだ。娼婦(パンパン)や不良たちもドスが利いてない。役者によっては直球勝負に「下手」であった。
 ただ一箇所だけ演出がよかったシーンがあって、それは腹を空かせた女の子が(登場する度に腹を空かせているのだが)、警官から小銭をもらって(あり得ないのだが)、それを佐久間式ドロップスの缶に入れてカラカラ鳴らしながら退場していくというもの。そこだけは、まぁ光った。
 全体としてのテンポも悪く、2時間居心地が悪かった。
 「面白かった劇団がつまらなくなる」ことはよくあっても(本当によくある)、「つまらなかった劇団が面白くなる」ことはないのだなと再確認した一日であった。
 公演は13日まで。
●ぱるエンタープライズのサイト・・・http://www.pal-enter.com
(注・上記サイト、Firefoxではうまく閲覧できないようです。また、公式サイトでは「のっぱら賛歌」の表記になっています。ちゃんとしてほしいなぁ・・・。)