muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

サロン劇場公演「薔薇と海賊」

花束がいっぱい

 新宿の紀伊國屋ホールにて、サロン劇場第13回公演「薔薇と海賊」公演5日目を観てきた。(作・オリジナル演出 三島由紀夫、演出・出演 村松英子)(紀伊國屋書店提携公演、平成19年度(第62回)文化庁芸術祭参加公演、芸術文化振興基金助成事業)
 サロン劇場のお芝居には以前ピアニストとして出演したことがあり、今回は村松さんよりご招待を受けての観劇となった。
 受付に村松さんの息子さんがいらして、ちょっとお話しした。現在は大学院で物理を学んでいるとのこと。すばらしい。
 ロビーにはたくさんの花束でまるで花屋さんのよう。(写真。)藤村俊二さん、南原清隆さん、北島三郎さん、平沼赳夫氏ら、そうそうたる贈り主であった。
 さてお芝居だが、三島氏が亡くなる直前に彼の強い希望で三島氏の劇団「浪曼劇場」で上演され、今回が37年ぶりの再演だそうである。当時と同じ出演者は村松英子さんだけ。今回はその娘さんの村松えりさんも出演されている。あと、サロン劇場の「班女」(三島由紀夫:近代能楽集より)でご一緒した野村万蔵さん(当時は野村良介さん)も執事役で参加されている。
 物語は、童話作家の主人公(村松さん)のところに転がり込んでくる30歳の白痴(←ATOKに単語登録されていなかったけど、差別用語なのかなぁ)の少年が、紆余曲折の末、結婚するというもの。薔薇の短剣が重要な小道具になっている。
 村松さんの演技はどこまでも上品で、堂に入っている。三島戯曲ということでやや難解だったが、喜劇ということで笑わせるシーンも随所にあり、楽しめた。
 ラストは舞台後方に帆船が現れ、月も昇る。美しいシーンだった。
 脇を固める俳優陣も好演。それぞれの個性が出ていた。役によっては出番が少なかったりもするが、演技がよかったので強烈な印象を残した。
 終演後、村松さん、えりちゃん、野村万蔵さんにご挨拶して帰った。
 公演は9日まで。