舞台 : サロン劇場公演 「冬のロマン−語り芝居−」
今日は、目白台の和敬塾(わけいじゅく)にある、旧細川邸サロンにて、サロン劇場 和敬塾サロン第12回公演「冬のロマン−語り芝居−」を観てきました。公演5日目の舞台。夜の公演でした。(作:室生犀星、夏目漱石、脚本:村松英子、演出:藤井ごう)会場の旧細川邸は、東京都の文化財指定を受けています。その広間で上演されました。
まず、室生犀星と夏目漱石の朗読から行われ、4人の役者がそれぞれ読み合いました。1人1人が個性的でした。全体に、(今日の舞台全般ですが)格調高いです。不思議な緊張感が漂いました。
舞台後半は、オスカー・ワイルドの4幕喜劇「ウィンダミア夫人の扇」を1幕喜劇に脚色したお芝居が上演されました。舞台を大正時代の日本に移し、華族の人たちの物語でした。脚色は、村松英子さんによるものです。
当時、上流階級の男性の中には、話し言葉に女言葉が混じることがあり、それが再現されていました。不思議な印象でした。(入江侍従長(昭和天皇側近)など、そうだったとか。)
上演中、僕が昔、この舞台(サロン劇場の舞台公演)でピアノ出演した、ミュッセの「気紛れ」との関連性を、考えていました。また、脚本の裏にある、キリスト教の影響なども・・・。台詞は、非常に言葉が厳選され、味わい深いものでした。
村松英子さんの気品の高さ、村松えりさん(英子さんの実の娘さんです)の清楚さ、野村万蔵さん(普段は狂言の方です)の格調高さは、さすがでした。村松英子さんの相手役、中山仁さんも好演でした。
BGMは無伴奏フルート(鈴木章浩さん)で、モーツァルトなどを使用していました。(舞台の場面に合った選曲には、苦労されたそうです。)
舞台が終わり、村松英子さんのカーテンコールご挨拶があったのですが、「(サロン劇場の舞台)「班女」(三島由紀夫、近代能楽集)でご一緒した室谷さんがいらしてます!」と、皆さまに紹介され、非常にうれしかったです。(ありがとうございました。)
終演後、サロン劇場恒例の、楽屋訪問の役割を兼ねた小パーティーが催され、村松さん、えりさん、万蔵さん、鈴木さんにご挨拶しました。万蔵さんとは結構長く話し込んでしまいました。
すばらしい舞台を、ありがとうございました。公演は、12月6日までです。