muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

「後宮よりの逃走」「crystal EVE」

宇田学さん

 モーツァルトのオペラ「後宮よりの逃走」公開ゲネプロ(通し稽古)を観た。(演出・高島勲、指揮・広上淳一、オーケストラ・読売日本交響楽団、合唱・二期会合唱団、於・日生劇場)
 オペラ教室と銘打っていることもあって、開演前にセリムの勝部演之が案内役になって、舞台裏や照明、舞台監督などにインタビューも交えながら簡単な舞台解説を行ってくれた。照明のデモンストレーションなど、なかなか楽しかった。
 実際のオペラはというと、昼間のゲネプロということで仕方ないのかも知れないが、序盤、オケも歌手陣も不調だった。アンサンブルや音程が結構乱れていたように思う。
 中盤以降はどちらも持ち直し、なかなか充実した見応えある舞台を見せてくれた。セリフが日本語で歌が原語(字幕付き)というのは折衷した案だと思うが、実際に観てみると思った以上に違和感がなくしっくりいっていた。
 舞台装置が豪華で、中央には小さな噴水まで・・・。金かかってるなぁ。照明も美しかった。
 しかしモーツァルトのオペラというのは長いな。
 夜はPEOPLE PURPLE公演「crystal EVE」を観た。(作・演出・出演 宇田学、於恵比寿・エコー劇場)
 この劇団の公演を観るのは2回目なのだが、前回もかなりよかったため期待していた。そして期待通りの舞台を見せてくれた。
 いい演技(舞台の)をしているし、脚本も魅力的。(舞台ならではの脚本の作りをしていた。)登場人物も個性的。展開も後半はスピーディで思わず舞台に引き込まれてしまう。どんでん返しも用意されていてスリルに満ちているが、ほろりと泣かされるところもあり(横の人泣いてた)、最後はハートウォーミングで終わる。
 今回特筆すべきは音響効果だろう。舞台全編にわたってBGMがつけられているのだが、こういった手法はたいがい「安物のテレビドラマ」を見ているような印象を受ける。しかし今回はシーンと音楽がよくマッチしていて完全に舞台と一体になっていた。
 惜しむらくは上演時間の長さか。あと15分か20分コンパクトになっていたらと思った。(前半がやや間延びしているか?)
 一つ気づいた点。ホーク役の濱谷晃年さんの演技。悪くはなく、とても王子様俳優(いい意味で)でかっこいい演技をしているのだが、どうも現実味がないというか、架空の人間像を演じているような印象を受けた。悪い演技ではないのだが、あまりにかっこいすぎる〜という印象か。
 公演は11/21まで。がんばってください。
●日生劇場のサイト・・・http://www.nissaytheatre.or.jp/
●PEOPEL PURPLEのサイト・・・http://www.h7.dion.ne.jp/~pxp/