muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

映画「春の雪」

素敵なポスター

 立川の立川シネマシティにて、映画「春の雪」を観てきた。(監督・行定勲、原作・三島由紀夫)
 この映画を観るために、原作の小説を読み返した。(2005/06/12のブログ参照。)
 主演は妻夫木聡で、相手役は竹内結子。この竹内の演技が巧い。友達も絶賛していた。対して妻夫木の演技はやや棒読みに近いような・・・。
 原作からは外されてしまったエピソードもあった。シャムの王子の指輪がなくなった話、「夢日記」を本多にあげてくださいという手紙のことなど。また、原作では主人公が死ぬことを末文にしているが、そこも暗示にとどめられている。
 全体に丁寧に描いた映画である。2時間半の長丁場だが、原作を知っている者には長いと感じさせなかった。終盤、「もう終わってもいいんじゃないかな」というシーンで何回かその後もあったりしたが。
 劇中にある帝劇に演劇(実はオペラ)を誘うシーン、当初は制作費の関係で削る案もあったという。(映画公式サイトの情報より。)しかし監督が断固としてこれを拒否、オペラ「ファウスト」のシーンとなった。(訳詞上演であった。)これに現れた聡子の衣装が非常に華美であった。
 この映画を楽しむためには原作を読んでおいて方がいいんじゃないかと思った。というのも、この続編(奔馬など)を暗示する内容があったからだ。
 妻夫木はシャムの王子相手に英語を喋るのだが、これがクイーンズイングリッシュみたい。(NHKの「英語で喋らナイト」でやっていた。)
 原作のセリフはかなり文学調だが、映画にある、原作にないセリフがやや通俗的で、若干その違和感を覚えた。
 今日の写真は映画のポスターだが、この写真はかなりセンスがよいと知人が誉めていた。
●映画「春の雪」公式サイト・・・http://www.harunoyuki.jp/