muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

21世紀の魅力ある弦楽合奏曲の夕べ

全曲終了後

 代々木上原のけやきホール(古賀政男記念館)で、「21世紀の魅力ある弦楽合奏曲の夕べ」を聴いてきた。プログラムは以下の通り。
♪正門憲也「弦楽のための舟歌 1番・2番」
♪鷹羽弘晃「弦楽のための『パターン・カッツ』」
♪清水昭夫「幻想曲〜弦楽のための」
♪久行敏彦「祈り〜弦楽のための」
♪柿沼 唯「ガラス玉遊戯第2番」
(全曲初演、全曲の指揮・鷹羽弘晃、柿沼作品のヴァイオリン独奏・佐藤まどか、弦楽オーケストラ・桐朋学園大学音楽学部学生)
 作曲者全員が毎コンや日本交響楽振興財団作曲賞などのコンクールに入賞、入選歴を持つ、輝かしい経歴の持ち主である。大きな期待を胸にけやきホールへと足を運んだ。
 作品はそれぞれ個性的。やや調性寄りに感じられたものが多かったかも知れない。清水さん作品は12音技法によるものということで、かなりシリアスな響きになるのではないかと思ったら、ものすごく優しい曲調だった。こういうこともできるんですね・・・。
 正門さん作品は、ご自身が弦楽器に堪能ということもあって、書法的にかなりこなれたものを感じた。
 鷹羽さん作品は、細かい楽章(ではないかもしれない。パート?)の集合体。リズムなどの処理に達者なものを感じた。
 久行さん作品は、当夜の作品中唯一、弦楽器群を大きく半円形に配置した。息の長い、持続力のある作品だった。
 柿沼さん作品は、グレゴリオ聖歌の「キリエ第4番」をモチーフとしている。当夜の作品中、一番調性感が感じられた。(あとでまどかちゃんに聞いたら、楽譜に調号が付いていたそうです。)独奏ヴァイオリンは、弦楽と掛け合い、ときに一緒になりながら音楽を進めていった。まどかちゃんの独奏もすばらしく、さすが。
 弦楽は総勢14名で、豊かな響きを創り出していた。学生ということもあってか、演奏にはやや不安定な面も見られたが(鷹羽さん作品で、とあるパートの出だしが揃わず、結局やり直していたのは残念)、これだけの初演曲をこなすのはとても大変なことだったろう。健闘を讃えたい。
 今日は芸大同期の名倉ちゃんと梅本さんも来ていて、一緒に聴いた。終演後、まどかちゃんにご挨拶してから帰った。
 正門さんにご挨拶したら、「(むろやんの)ブログ読みましたよ」と言われてしまい、恐縮してしまった。今日のブログももしかしたら・・・?
 今日演奏された作品についても、いろいろ思うところはあったが、他人の曲にああだこうだ言うことは本当にたやすいことだ。でも、いざ自分で作曲してみるとまったく思い通りにいかないもので、創作の厳しさというのは本当に感じる。僕も、今年は椙守先生の作曲(ピアノ曲)があるので、頑張りたい。