尾高惇忠「交響曲~時の彼方へ~」(N響定期演奏会)
2021年5月26日、NHK-FMにてN響定期演奏会を聴きました。
プログラムの最後に、尾高惇忠(おたかあつただ)作曲、「交響曲~時の彼方に~」が演奏されました。(「尾高賞」受賞作品。)
今年(2021年)の2月に逝去された尾高先生、僕は芸高の2年次だったか、2回ほど作曲のレッスンを受けたことがあります。
当時、僕の師事していた南弘明先生が1ヶ月ほどドイツに滞在されることがあり、その間のレッスンを受けました。
自作の「スケルツォ」を見ていただいた記憶があります。先生がどのような感想を言われたかは憶えてはいません。
レッスン時に、高校生の僕が尾高先生に、「現代音楽でも、演奏者によって『演奏』が変わることがあるのでしょうか?」と素人丸出しの質問をしたら、「あると思いますよ」と答えてくださったことを憶えています。
尾高先生の作品は、「芸大100年」の記念演奏会で聴いた、「弦楽四重奏曲」以来で、21世紀になってから書かれた「交響曲」とのことで、興味深く拝聴しました。
曲は3楽章構成で、フィナーレにはパッサカリアやフーガの技法も用いられ、「交響曲」の言葉が持つ、多分に"説明的"な印象も併せ持ちつつ、フランス仕込みの和声がとても印象的な作品でした。