muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

飛ぶ劇場公演「IRON」(アイアン)

受付の様子

 池袋の東京芸術劇場小ホール1にて、北九州芸術劇場×飛ぶ劇場 共同製作「IRON」(アイアン)東京公演初日の舞台を観てきた。(作・演出:泊篤志)
 物語は、太平洋戦争後に日本から独立した国家「糧流島」(かてるじま)。その島の傾きかけた国家後援の卓球部の話。
 糧流島は明らかに北朝鮮をモデルにしているのだが、そこからの「脱北」を決意する主人公の迫真のドラマである。
 前半はややだるかったのだが、密告、足の引っ張り合い、仲間同士による騙し合いの錯綜する後半は緊張感があり、目を離せなかった。まんじりともせず見入った。国外脱出を決意する主人公の結末はあえて描かれない。そこがまたいいのだが、主人公がどうなったのかはとても知りたいところであった。(かといって成功でも失敗でも、実際に描いていたら興ざめだったろうが。)
 「IRON」は再演作品で(3回目の上演)、この公演ツアーは去年の10月に北九州芸術劇場小ホールではじまり、松本や熊本などの各公演を経て、東京公演がファイナルとなる。今日は東京公演の初日であったが、演技に堅さはなく、いい芝居をしていた。
 主演陣、脇役陣、コロスとはっきり役割の分かれる役者陣であるが、それぞれがそれぞれを引き立てていた。
 舞台美術もよかった。お勝手口のような小さな「家」のようなセットが動くのだが、それらの間を人が聞き耳を立ててたたずんでいたり、セットが動くと妙な緊張感があったりして効果を上げていた。
 公演は5日まで。千秋楽まで頑張ってください!
●飛ぶ劇場のサイト・・・http://www.tobugeki.com/pc/