muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

伊勢神宮と神々の美術 ほか6つの美術館、博物館

ゴッホ「ばら」

 今日はお休みで、都内を廻りいろいろ展覧会を見てきた。数多く見たが、(珍しく)すべて初めての展覧会だった。1人で行動。以下、見てきた順。
(1)知られざるタオの世界「道教の美術 TAOISM ART」−道教の神々と星の信仰−(三井記念美術館)
(2)かたちは、うつる−国立西洋美術館所蔵版画展(国立西洋美術館)
(3)ル・コルビュジエと国立西洋美術館(同上)
(4)インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン(国立科学博物館)
(5)名物展示「月の石」(同上)
(6)ガリレオの天体観測から400年 宇宙の謎を解き明かす(同上)
(7)伊勢神宮と神々の美術(東京国立博物館)
(8)染付−藍が彩るアジアの器(同上)
(9)コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選―(東京芸術大学大学美術館)
(10)天皇陛下御在位二十年記念 日本藝術院所蔵作品展(同上)
(11)ステッチ・バイ・ステッチ 針と糸で描くわたし(東京都庭園美術館)
(12)写楽 幻の肉筆画 ギリシャに眠る日本美術〜マノスコレクションより(江戸東京博物館)
(13)発掘された日本列島2009(同上)
●道教の美術
 道教は宗教の一種。星に関する美術品が印象的だった。国宝もあったように思う。キトラ古墳の壁画も(写真展示で)あった。新聞写真でしか見たことなかったので収穫。
●かたちは、うつる
 国立西洋美術館の所蔵品で一番多いのは版画だそうだ。その中から厳選された、きら星のような作家陣の版画が並んでいた。デューラー、レンブラント、ゴヤ、ドラクロワ、ピカソ、マティス、等々。デューラーの版画の、緻密な描写に唸った。
●ル・コルビュジエ
 国立西洋美術館を世界遺産にしようという運動は、うまくいかなかったようだが、その建築計画から関連する文書、模型、設計図などを展示。ちょっと学術的なので、面白みは・・・。
 当時使われていた椅子と机が展示されており、さすが美術館の調度品、といった感じだった。
●シカン
 シカンは古代ペルーに栄えた王国。滅亡してしまったが、優れた文化を残した。
 黄金の調度品が見事だった。(装身具等。)土器などもしゃれていた。
 3Dメガネを使用して、立体映像を見ることができた。10分くらいで、シカンの古代墳墓の様子を伝えてくれる。正直、あまり立体映像の出来がよくなかった。(わざわざ立体映像で作る意味が感じられない。)こっち(手前)に映像が"出っ張って"こないし。
●月の石
 ミニ企画展。今回の「月の石」が、大阪万博で出品されたものかわからないが、空いていてじっくり見ることができた。月の石の実物は、本当に小さかったです。(地球まで持ち帰ってくるのが大変だからだろう。)
●宇宙の謎
 宇宙の大ロマン。途中に映像展示があり、音声はないが、銀河、銀河団、宇宙の大規構造に関するそれぞれ3分ほどの映像を見ることができる。この映像が秀逸で、銀河と銀河の衝突や、銀河団の中心に位置する「大規模楕円銀河」を、コンピューターを使った計算で見せてくれる。映像の1秒が1億年とか、とてつもない「時の流れ」を感じ、しばしロマンに浸った。こういうの大好き。
●伊勢神宮
 キャッチコピーは、「上野でぶらりと、伊勢参り」。(正確には覚えていないが。)
 長い歴史を持つ伊勢神宮を紹介している。仏像、絵巻などいろいろあった。国宝、重要文化財も多数。かつて破棄された剣、鏡などが「古神宝」としてあり、興味深かった。
●染付
 暑い季節になんとも涼しげな、藍色の器。古代から江戸時代くらいまで、中国、ベトナム、朝鮮、そして日本の染付がいっぱい並んでいた。
 1点1点に説明文が付いているので、読むだけでも疲れるのだが、説明文の文字まで藍色になっていて、なんともしゃれていた。
 器は味わい深いのが多数。形も凝っていたり、デザイン(絵)も面白い。
 「用の美」なのか、実際に海の幸や山の幸を盛って展示してあるブースもあった。
●コレクションの誕生、成長、変容
 芸大コレクション。「鮭図」や、「序の舞」、「悲母観音」等々、優品が並ぶ。さすが母校のコレクションだけのことはあるなぁ。カンディンスキーもあった。
 このあたりからしばらく、足が痛くて疲れてしまい、展覧会に集中できなくなってしまった。
●日本芸術院
 会期初日。東山魁夷や、高山辰雄等知っている作家の作品もあった。日本芸術院なので、それなりに名を残した人たちの、定評ある作品群ばかりなのだろうが、僕には苦手な感じの作風の絵もあった。(具象絵画に特に。)けして悪い意味ではないのだが、出品作一同に同じ「色」を感じてしまった。なんというか、作風というか。
●ステッチ・バイ・ステッチ
 こちらも会期初日。東京都庭園美術館で新しい展覧会が始まったみたいだから、行ってみるか・・・くらいの気分で訪れたのだが、なんと現代アートの展覧会だった。この美術館にしては珍しい。
 で、針と糸で描く作品群なのだが、最初に展示されている刺繍作品がすばらしい。大きな布の裏にまわると、無数の赤い糸が表面の刺繍に連なっている。はっとさせられた。
 あと、MOTでも見た、作家が実際にそこの場所で生活を行った「足跡」を記した作品。この美術館は旧宮邸をそのまま美術館にしているのだが、その立派な、かつて宮様が使った「書斎」も、「作品」(インスタレーション)になってしまっていた。
●マノスコレクション
 ギリシャの美術館所蔵の浮世絵。喜多川歌麿、葛飾北斎等々。ギリシャにこんなに水準の高い浮世絵コレクションがあるとは・・・。
 またまた「富岳三十六景」にお目にかかってしまった。もう5,6回目くらいじゃないかなぁ・・・。(もっといってるかも知れない。)
 世界初公開、写楽の肉筆画(扇画)は、うやうやしく特別展示って感じだった。(一応写楽なんだけど、そんなにすごいって感じでもないような・・・。)ほかに展示されてあった、写楽の役者絵の方がいい感じもした。
●発掘された日本列島2009
 近年の最新出土品。最初にいろんな埴輪が展示されていて、馬だったりいろんなのがあり、かわいらしかった。
 あとは、平城京遺跡の成果。平城宮の模型や、実際に復元建築された朱雀門、大極殿の写真が興味深かった。(いつか行ってみたい。)
 今日は、行きたかった美術館、博物館の数々の展覧会を見られて有意義だった。(かなり疲れてしまったが・・・。)
 今日の写真は、国立西洋美術館の常設展から、ゴッホの「ばら」。常設展は、フラッシュをたかなければ撮影可。ただし、「寄託作品」は撮影不可である。