muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

ノーマン・ロックウェル、星新一展 ほか11の美術館

星新一展

 最近見た展覧会のことを書きます。すべて1人で行動。(10)〜(13)は今日行きました。以下、見てきた順。
(1)−不思議の国の少女たち−山本容子のワンダーランド(埼玉県立近代美術館)
(2)生誕150年記念 アルフォンス・ミュシャ展(三鷹市美術ギャラリー)
(3)江戸を開いた天下人 徳川家康の遺愛品(三井記念美術館)
(4)伊勢神宮に捧ぐ 近・現代の美(日本橋タカシマヤ)
(5)映画資料でみる 映画の中の日本文学 Part 3―戦後の文学―(東京国立近代美術館フィルムセンター)
(6)「ポスト・フォッシル:未来のデザイン発掘」展(21_21 DESIGN SIGHT)
(7)オルセー美術館展2010「ポスト印象派」(国立新美術館)
(8)ルーシー・リー展(同上)
(9)モーリス・ユトリロ展−パリを愛した孤独な画家−(損保ジャパン東郷青児美術館)
(10)ノーマン・ロックウェル オールディーズ、その愛しき素顔たち(府中市美術館)
(11)星 新一展(世田谷文学館)
(12)フェリックス・ティオリエ写真展(世田谷美術館)
(13)建畠覚造―アトリエの時間(同上)
 初めて見たものに限って感想を記します。
●ミュシャ展
 オルセー美術館やプラハ国立美術館など、海外からも作品が来ていたが、今回は大阪、堺市が所蔵するミュシャのものが多かった。「カメラのドイ」の社長コレクションが元になっているそうで。
 ミュシャの作品は、個性的だとは思うけれど、芸術的にどれほどの価値があるかは疑問だ・・・。ポスターなどに見られる独特の装飾様式は、時代を感じさせて味わいがある。
 「スラブ叙事詩」を手がけたり、紙幣などのデザインもしているので、非常に国民からは慕われていたのだろう。
●伊勢神宮
 横山大観や熊谷守一(くまがいもりかず)など、そうそうたる顔ぶれの作品が並んでいた。名前は知らなくても、作家プロフィールが、「文化勲章」だったり、「文化功労者」だったり、芸術院会員だったりと、非常にきらびやかだった。
 伊勢神宮の美術館に奉納された作品群。いろいろな傾向の作品が並んでいたが、具象画が多かった。日本画壇の中心の人たちだろう。
●映画の中の日本文学
 開館が11:00で、ちょうどその時間に行った。その日1本目の映画上映でも見られるかと思ったら、2時間以上待ち時間があるので、映画鑑賞は見送った。
 で、日本文学をモチーフとした映画の資料集。ポスターなど。原田知世の「時をかける少女」のポスターは印象的だった。「総天然色」などとも書かれた作品は、時代を感じさせた。
●ポスト印象派
 とても期待していた。で、期待通り素晴らしい展覧会だった。「知らない作家の作品」は全体の3割ほどで、ほとんど知っている画家ばかりだった。モネ、シスレー(1点しかなかったけど)、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ドニetc.
 特にゴッホの、夜の情景を描いた風景画が、白眉だった。蒼い空に浮かび上がる黄色い星々が非常に印象的で、深く心に刻まれた。また、東京国立近代美術館でのゴッホ展にも出品された、ゴッホの寝室の絵に、またお目にかかれた。
 この展覧会は、お勧めです。印象派が好きな人は、満足できると思います。
 そうそう、iPhoneアプリでこの展覧会のがあって、あらかじめDLしておいた。会場で起動してみたが、操作が面倒な感じで、ほとんど使えなかったです。残念。
●ノーマン・ロックウェル
 小さい頃はまっていた、ジグソーパズルや、絵はがきでこの人の作品はお馴染みだった。少年が近所のレストランまで「家出」して、警官に話しかけられている絵や、実際よりもいい男に「自画像」を描いている作品など、本物があったので感動してしまった。
 古き良きアメリカ、ノスタルジアである。日本人にも受け入れやすいと思う。
●星新一
 この人のショートショートは、僕が中学生の時分、兄がはまっていて、その影響で僕もいっぱい星新一作品を読んだ。短編よりも短いショートショートなので、読みやすいし、抜群のオチにはいつも驚かされ、面白かったものだ。
 直筆原稿があり、普通のもの(?)もあったが、中には非常に字が細かく、小さく、虫眼鏡でも使わないと読めないようなのが多数あった。字は達筆ではないみたい。
 星新一の講演会の様子を収めたCDも聴けて、小説のオチを考えるより、そこに至る文章を考えるのが難しい、みたいなことを話していた。(記憶が曖昧ですみません。)
 今日の写真は、会合の様子を再現している。星新一は写真左から2人目で、天丼を食べたそうだ。会場には50代くらいの星新一の写真もあり、すごくナイスミドルだった。上品な感じの人柄が伝わってきた。
●ティオリエ
 死後、偶然発見され、異国の地での回顧展となった。
 1900年頃のパリや風景写真、ポートレイトなどを撮った人。非常に写真が、「静謐」(せいひつ)といった印象で、落ち着いていた。
 有名な人ではないので、美術館は非常に空いていた。(展覧会も始まって間もない。)
 なぜか、コローの小さな鉛筆画が1点、展示されていた。
●建畠覚造
 常設展。「○○のマケット」というタイトルの彫刻作品が非常に多かった。文化功労者。故人。
 抽象彫刻がほとんどで、こういうのこそ、長く残る作品なのかも知れない。パブリックアートも手がけ、大宮駅前の彫刻などもあった。(写真展示。)
 常設展では、西洋絵画も展示され、アンリ・ルソーの油画が3点も見られたので収穫だった。
 今日は、世田谷文学館から歩いて世田谷美術館に行けるか聞いたが、バスを2回乗って行くことになった。初めてのルートだったので、ちょっと不安だったが、なんとか無事に着くことができた。
 帰り、世田谷美術館から用賀駅に行くバスを待ったのだが、本数が少ないと言うことは知っていたものの、40分以上も待たされてしまった。ベンチやiPhoneもあったので、疲れたり、退屈したりはしなかったが、時間のロスは痛いね。