上智大学演劇研究会公演「手軽なロボトミー」

　四谷の上智小劇場（上智大学内）で、上智大学演劇研究会2004年度卒業公演「手軽なロボトミー」初日を観てきた。（脚本・演出　堀内彬子、演出補佐・日比野隆史・・・日比野さんは出演も）
　９・１１同時多発テロをモチーフに「現代に生きる普通の大学生が考える反戦」ということなのだが、わりとメッセージ（セリフ）が直截的で、脚本に魅力が欠ける。演技もそうだが全体の沸点が低かったと思う。
　よかった点は舞台セット。白と赤と黒を基調にしていてセンスがよかった。（赤いパソコン、キーボード、モニタはすごいが・・・。）書き割りに英語の落書きとブッシュ大統領の似顔絵が描いてあった。
　演出のよかった点は、役者がいて短く暗転したあと、その位置に別の役者がいて演じ始めたところ。何回か使われていたが、映像作品ではありふれた手法だろうと思うが生で演じられると結構はっとする。
　ラストシーン、この劇の一種のテーマソングともいうべきビートルズの「Imagine」が流れ、スタッフロールの映像（劇中随時同時多発テロやイラク戦争の映像が挿入される）が流れるのだが、収まりがいいといえばいいのだが、なんかこうもう「一ひねり」ほしかった。悪くないラストではあるのだが・・・。
　公演は20日まで。頑張ってください。
●上智大学演劇研究会のサイト・・・http://gekiken.fc2web.com/top.html