ストレイドッグ公演「月と箱舟」
新宿のシアターモリエールにて、ストレイドッグプロデュース公演「月と箱舟」Bキャストによる千秋楽を見てきた。(作・矢沢幸治&Wave Theater Company、演出・森岡利行)
つい最近笹塚で「悲しき天使」を見たばかりだが、もう新作(?)を上演する、それも上演期間が長く、すごいなと思った。
2時間という長めの上演時間にもかかわらず、あまり「長いな」と感じなかったのは、笑いあり涙ありダンスありとエンターテイメントにあふれた舞台のせいだろう。(しかしダンスは、みんなうまかったしいいんだけど唐突に出てきたので舞台での必然性が分からなかった・・・。)
全編にわたって「ギャグ」が織り込まれるのだが、あと一歩で「寒いな」と思わせそうでいながら笑いが取れていたのは立派だ。かなりきわどいところで勝負していた。
客席の前方では、ビニールシートを覆いのようにして舞台上から投げられるモノを避ける、という面白い演出がなされていた。実際紙吹雪とか舞っていた。
惜しい点は、ストーリーにやや無理があるかな、というところ。いろんな要素を詰め込みすぎて雑多な感じがした。
また、「叫んでいる」セリフが多いのも気になった。常々思っているのだが、人間本当に悲しくなったりしたときは「絶叫」はしないものではないか? 絶叫すれば確かに「お芝居」っぽいが、逆にリアリティが薄まるとも思う。
また、ラストシーン、なんであんなに「感動的」なところに着地しようとしたのかも気になる。(月の造形も今一歩。)もうちょっとなんとかしようがあったように思えた。
役者の演技は、若干ムラがあるものの、小劇場にふさわしい自然な演技だったと思う。やや上っ滑りにも思えたが・・・。
若手の多く出演する、生き生きとしたエネルギーあふれる舞台だった。(いろいろ考えさせられた。)千秋楽、お疲れ様でした!
●ストレイドッグのサイト・・・http://www.straydog.info/