muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

DearMyFriend「SLeeVe」PEOPLE PURPLE「ENDLESS TRIP」

ありがとうございました

 昼は大塚の萬(よろず)スタジオで、DearMyFriend公演「SLeeVe〜スリーヴ〜」公演3日目のマチネを観てきた。(作・演出 宮城陽亮)
 物語は「百鬼夜行」というゲーム・・・人間と妖怪が一組になり、映画「バトルロワイヤル」のように殺し合いをしながら、最後に残った一組が"隠れ家"という願いを叶えてくれる家に招待される、をするというもの。
 そもそもなぜ「百鬼夜行」をするのか、その動機付けが描かれないために「なんでそんな無意味な殺し合いをするのか」がわからない。
 殺し合いだけを淡々と進めていればまだ芝居として成り立つのかも知れないが、ラブストーリーなんかも絡めてくるので複雑になってやりきれない。
 最後、花びらが降ってくる演出、ベタだなぁ・・・。
 公演は16日まで。これは時間を無駄にした。
 夜は池袋の東京芸術劇場小ホール1にて、PEOPLE PURPLE公演「ENDLESS TRIP(エンドレス トリップ)東京公演の初日を観てきた。(作・演出・出演 宇田学)
 この劇団のお芝居は以前にも観たことがあって(ブログにも記載)、そのときの印象が大変良かったので今日も期待して劇場に足を運んだ。
 ストーリーは、「パラレル・ライフ」というキーワード・・・時間も空間も違う二人の人物が、生まれた日も死ぬ日も同じという運命をたどる、というSFチックな設定を含むSFなお話。近未来の、戦争ばかり起きている社会と、明らかに2006年現在の平和(日本だけだけど)な日本(舞台では2006年ではないです)を結びつけて話は進んでいく。
 宇田さんの脚本は巧みで、いくつものエクスキューズを入れて、強引ともいえるSFチックなお話を進めていく。アンドロイドや時空の移動(タイムマシンのようなもの)など、多分にお芝居ならではの要素があった。
 「戦争」も重要なモチーフなのだが、"現代"に生きる二人の男女のラブストーリーも絡めて、展開に目が離せない。
 主演格の女性は一人二役で、現世でも未来でも同じ日に死んでしまうのだが、普通なら「ここで死なないだろう」でハッピーエンドとなるところを一ひねり(最後の最後で死んでしまう)してしまうところがにくい。ありきたりなハッピーエンドではないのだ。
 ただ、ラストシーンはちょっと余計だったような気がする。主人公の一人の男性がまた過去にタイムトリップして女性を助けに行く・・・というものなのだが、そんなに無理して「いい話」に着地しなくても、という印象。
 あと、お話に「桜」が出てきた時点で「花びらが上から降ってくるな」と思ったらどんぴしゃであった。まぁこれは必然性があるので「ベタでいやだな」とは思わなかったが・・・。
 個人的に好きな、「シリアスなシーンでのギャグ」も随所に織り込まれていて、ほっとしたり気が抜けなかったりで飽きさせなかった。
 俳優陣の演技も堅調。一人一人のキャラクターが実によく立っている。特に悪役の人の演技がよかった。かなりステレオタイプな悪役で(役柄的に)いいところはないのだが、はまり役だった。あと、今日の写真は終演後にロビーで役者さんを撮らせていただいたもので、未来の世界のコックさんの中国人という役柄の役者さんです。ありがとうございました。
 公演全体の印象としてはかなり「二の線」のお芝居。演技にそれは如実に表れていて、「かっこいい〜ひゅ〜ひゅ〜」といった、いい意味ですかした舞台だった。
 今日は奇しくも「殺し合いとラブストーリー」の絡み合う二つの舞台を観たわけだが、劇団によってこうも仕上がりに差があるものかと感じ入った次第。
 公演は16日まで。千秋楽まで頑張ってください!
 あと、両方の観劇に付き合ってくださったWaTaNaBeさん、お疲れ様でした!
●DearMyFriendのサイト・・・http://homepage3.nifty.com/isaiah/dmf/
●PEOPLE PURPLEのサイト・・・http://www.h7.dion.ne.jp/~pxp/