muroyanの日記

ピアニスト、作曲・編曲家、むろやんのブログ

わたしいまめまいしたわ ほか10の美術館、博物館

三井記念美術館にて

 都内各地を廻り、いろいろ展覧会を見てきた。以下、見てきた順。
(1)ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美(東京都美術館)
(2)宮廷のみやび−近衛家1000年の名宝(東京国立博物館)
(3)井上博道の眼展(上野の森美術館)
(4)日本芸術院所蔵作品展 水のある景色(日本芸術院会館)
(5)日本の四季を彩る トールペイント展(日本橋三越本店)
(6)企画展「国宝 雪松図と近世絵画」(三井記念美術館)
(7)わたしいまめまいしたわ 現代美術に見る自己と他者(東京国立近代美術館)
(8)特集 国吉康雄−寄託作品を中心に−(同上)
(9)開館30周年記念展II 工芸の力−21世紀の展望(同上・工芸館)
(10)サイレント・ダイアローグ−見えないコミュニケーション(NTTインターコミュニケーション・センター)
(11)企画展 池田満寿夫 知られざる全貌(東京オペラシティアートギャラリー)
(12)収蔵品展 025 清らかなもの−舟越保武・長谷川潔を中心に(同上)
(13)projectN32 名知聡子(同上)
 初めて見たものに限って感想を記します。感想の記されていないものは、以前のブログに記事があります。
●ルーヴル美術館展
 横浜美術館、芸大美術館に続き、(多分)3回目のルーヴル美術館展。今回はマリーアントワネットなど、フランス宮廷で使われていた家具の展示が多かった。(若干油彩などもあったけど。)
 ロココ調(?)なのか、華麗で優美な調度品が多かった。こんなのに囲まれて当時は生活していたんだなぁ・・・。日本の漆を使った家具もあった。当時の異国趣味が伺える。
●井上博道
 東大寺や薬師寺の仏像などの写真展。とってもきれいだけど、それ以上の訴えてくるものがないような・・・? やっぱり東京都写真美術館はすごいんだなぁと思ってしまった。(井上氏も東京都写真美術館で展示されたことがあるかも知れないけど。よく知らない。)
●トールペイント展
 「トールペイント」がなんなのか知らない状態で行ったのだが、どうも木材の板に絵を描いたもの、らしい。(違っていたらごめんなさい。)今、Wikipediaで調べたら、木材にアクリル絵の具で描いたもの、だそうだ。現在では陶器、ガラス、布などにもペイントするんだって。
 会場にはとにかくたくさんの作品が並べられていたが、なんか・・・ダメであった。
 お客は女性ばかり。(かなり大勢入っていた。)中で、トールペイントの講師(女性)が「トールペイント教室」の宣伝をしていた。大音量で・・・。
●わたしいまめまいしたわ
 まずは展覧会タイトルがツボにはまった。現代美術の展覧会だし、期待して足を運んだ。が、その割にはあまり印象には残らなかったような・・・?
 草間弥生があったのでよかった。あとは、作家名は覚えていないが、グレーの字に年月日を記入した作品(東京都現代美術館でも見た)があった。
 自己と他者という、展覧会コンセプトはいいと思った。
●国吉康雄
 国吉は10代でアメリカに渡り、かの国で活躍した画家。今回は小特集。初期の作品が展示されていたが、どこかシャガールを思わせた。
●工芸の力−21世紀の展望
 10人以上の作家が出品していたが、「芸術作品として作られた工芸作品」は、この上もなく美しく、素晴らしかった。そのままでは実用にならないという点が惹かれた。(実用品"にも"なっている作品もあったけど・・・飾り箱とか。)
 ガラスで作られた花は特に印象に残った。儚(はかな)げなところがよかった。
 14:00から作品に手で触れたり、作品のエピソードや見どころを解説してくれたりするツアーがあったのだが、疲れていたので待っていられなくて移動した。ちょっと残念。
●サイレント・ダイアローグ
 NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)は初めて訪れた。
 公式サイトの情報から勝手に、「環境問題を啓蒙する写真展」と思って行ったら、全然違っていた。自然をモチーフにしたインタラクティブな現代アートの展覧会だった! オペラシティにこんなスペースがあったとは!
 鏡に映った自分自身とエアホッケーを「対戦」するものとか、文化庁メディア芸術祭で見た記憶のある、「影」に触ると反応する作品など、刺激的なものがいっぱい展示されていた。WEBサイトを自分の体の動きに置き換えてスクリーン展示するものとか。すごいなぁ。
 ただ、2008年現在は最先端でも、10年後にこれらの作品がどのように見られるかは・・・10年後にならないとわからないなぁ・・・。
●池田満寿夫
 アートはもとより各方面に多彩な才能を発揮した人。東京都現代美術館でもよく見たし、熱海のアトリエも(WaTaNaBeさんと)訪れたことがある。
 作陶、版画、油画、書などいっぱい展示。版画は未発表作品(池田満寿夫の作品目録にないもの)や、なんとかビエンナーレの受賞作品も展示されていたけれど、いまいちわからず・・・。
 陶器作品が自由でよかったかも。
 絶筆の裸婦画(油彩、未完)も展示。63歳での急逝は惜しまれる。
●清らかなもの
 長谷川潔は、横浜美術館での回顧展を見たことがあり(これもWaTaNaBeさんと行ったのだった)、名前はよく知っていたので安心してみることができた。舟越、長谷川は、互いには接点はなかったようだが、宗教的なモチーフを題材に選ぶなど、なぜか共通する趣がある。
 後半はほかの作家の作品が並んでいた。陶器で作った「聖書」が印象に残った。(どこかで似たようなものを見たことがあるが、この作家のものだろうか。)
●名知聡子
 東京都現代美術館にこの人の作品がなかったか? 作風が似ていたのだが、当日いただいたパンフレットにはそのようなことは書かれていなかった。
 大きな作品があり、出品数は少なかった。
 今日は廻るところが多かったので、旅程をしっかり練ってから行ったのだが、朝早くから行動したので、午前中はかなり眠かった・・・。(ルーヴル美術館展はへとへとだった。)
 あと、ジョルダンで鉄道経路を調べたのだが、当日携帯の乗換案内で調べ直したら、乗り換え回数の少ないルートが見つかったりして、若干計画に変更があった。些細なことだけど・・・。
 今日の写真は、三井記念美術館ロビーに展示されている作品。(彫刻作品? オブジェ?)作品タイトルは「はる」である。写真は小さくてわかりづらいが、そばに人が立っているので、大きさの目安にしてほしい。